妄想heaven

SEVENTEEN全員でのドラマか映画が見たいな......

PANDORA

 

最後に希望が残ったっていうパンドラの箱の物語は嫌いでもないけど、好きでもない。
希望なのに、箱の隅っこで震えてたって言われてることが多いからかもしれない。
もっと堂々としてたらいいのに......と思う。
世界を暗く覆った感染症は落ち着き、仕事と仕事の合間を縫って自国での仕事もこなすバタバタとした日常が戻ってきた。
すでに色んな関係性ができた人たちの場所の中に入っていくのは、いつだって緊張する。
本気でそう言ってるのに、「どこがだよ」とジュニに言われた。しかも鼻で笑う感じで。
ディエイトのスケジュールのせいで、1日に3本撮りとかになることもある。撮影場所も時間もディエイトの飛行機の時間に合わせることもある。
申し訳ないとも思うけど、それが許される存在になったんだって、ちょっとだけ思う。
自分の中には、それこそパンドラの箱じゃないけど色んな気持ちがあって、隅っこには威張り散らしたい気持ちや、どうだって自慢したい気持ちもあるけれど、まだまだ頑張りたいとか、もっと上に行きたいって気持ちもあって。
頑張ってきた分だけ謙虚にならなきゃいけないことも判ってるけど、でもどんな気持ちにも正直に、そして堂々としていたい。
ドキドキするし、何が失敗に繋がるか判らないし、不安は尽きない。でもその不安な気持ちに挫けてしまうぐらいなら、やれるだけやって失敗した方がいい。
誰かへの気遣いや、世界中への感謝も忘れないけれど、それでもゲームなら勝ちたいし、記録にも残したいし記憶にはもっと残りたい。
いつもなら13人もいて、誰かが何かしてくれるのを笑ってるだけでやり過ごせることは多いけど、自国ではほとんどの場合は一人だった。
だから何かからいつだって守ってくれるエスクプスの仕事だって自分でするし、瞬間的に閃くジョンハンのようにだって動く。優しく笑ってくれるジョシュアの仕事だってする。
ジュンのように輝き、ホシのように吠え、ウォヌのように落ち着き、ウジのように考える。
それからミンギュのように楽しみ、ドギョムのように笑う。
バーノンのように自然に感謝し、スングァンのようにすべてに貪欲に、そしてディノのように何をしても可愛らしく。
「結果お前、無双しすぎだって」
呆れたようにジュニが言う。
まぁしょうがない。13人分の力を集結したかのように頑張っているんだから。
それに、ゲームで負ける訳にはいかない。撮れ高でも負けたくない。
元からの負けず嫌いな性格もあれば、突拍子もない行動はジョンハンを見て日々学んでる。
それにそんな頑張りを、当然のように良くやったと褒めてくれるメンバーたちがいるんだから。
呆れてるのなんて、言葉が判るジュンぐらいだ。
「いいじゃん。別に」
自分の心の中には色んな気持ちがあるけれど、どんなに小さな小さな思いでも、全部自分だからと堂々としてるんだ......と言えば、ジュンは呆れたように笑ってた。
自分だってその見た目で無双してるくせに......。

The END
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