妄想heaven

SEVENTEEN全員でのドラマか映画が見たいな......

Spell

僕たちにだけ分かる言葉で呪文を唱える......

なんだかいつもヒポチは、違う世界にいるみたい。
彼らにしか見えない世界があるかのような。違う言語があるかのような。
そしてそれを踊りで表現してくれようとしているような。


SEVENTEEN (세븐틴) 'Spell' Official MV


SEVENTEEN(세븐틴) ‘Spell' M/V BEHIND THE SCENES


SEVENTEEN(세븐틴) - Spell @SEVENTEEN TOUR ‘FOLLOW’ AGAIN TO SEOUL


[INSIDE SEVENTEEN] ‘LALALI, Spell, 청춘찬가’ MV 리액션("LALALI, Spell, Cheers to youth" MV Reaction Sketch)

Spell

パフォチは基本、忙しない。
どこでもギリギリまで踊ってる。特にディノが。
ディエイトは気になった部分だけを確認する程度。ホシは爆発しそうなぐらいのエネルギーを溜め込んでるし、ジュンはあの見た目で結構緊張してたりする。
ただボカチのように騒いだりはしないし、ヒポチのように他を圧倒したりもしない。
音源は流し続けているけれど、それでも4人固まって大人しくしているように見える。
だけどいつだって揉めだしたら大変なのはパフォチかもしれない。
揉める元がいつだって振り付けだとか細かいステップだとか、導線についてだったりするから、なかなかシビアなやり取りになるんだろう。
より良いものを作りたい。その気持ちは当然判る。
「だからって限度があるだろ。カメリハだって終わってるのに、そこも無理言うつもりかよ」
踊りの変更は多分できる。そしてホシの提案した踊りの方が、多分カッコイイ。
でもこの場でそのホシを諌めることができるのは自分しかいないとジュンは思うのか、「次の機会にしよう」と口にすることの方が多かった。
大抵いつも、ディエイトはどっちでもいいよって感じ。よっぽど自分が踊りたいと思ってる箇所でなければ現場の意見を優先させる。
マンネだから盛大にワガママを言えばいいのに、ディノは大人たちの様子をちゃんと見てる。もちろんヒョンたちの様子も。だから最初は「そっちのがカッコイイかも」とか言ってたはずなのに、険悪ムードが漂うとちょっと黙る。
ホシは13人全員の踊りをちゃんと見てたりするくせに、なんでかジュンとやり合ってる時は周りが目に入らない。
「ダメかもしれないけど、頼んでみたっていいだろ。それに、結果それが俺らのためで、チームのためにもなって、会社のためにもなるんだから」
「俺らのお願いが、簡単に撥ねつけられることの方がもう少ないのは判ってるだろ。お前の、特に踊りに関するお前の意見は」
何に対しても熱くなれるホシと、普通にしてたって眼力の強いジュンのにらみ合いに近い距離での言い合いは、慣れてなければ近づけないものだろう。
逆にそれに慣れてるマネヒョンやスタッフヌナたちは、気にもしてない。いつものことだと思われているからだろう。そしてどんなに険悪な空気になっていたって、ホシとジュンのそれは一瞬で霧散することも知っているから。
当然ディエイトもそれを知っているから、余計に何も言わない。
そしてディノだってそれを知ってるけど、ディノは別の意味で何も言わない。
大抵こういう話題になると、自分が発言した内容は、ヒョンたちは誰も反対しないのにな......と思うことが多かった。
ホシとジュンは睨みあってるし、ディエイトは気にせずスマホで何か見てて、だから部屋にウォヌがやって来たことにはディノが一番に気がついた。
「ヒョンがどうにかしてやろうか?」
ウォヌがディノに言う。
ディノは一応頷きはするが、それこそ長い付き合いだから、ウォヌがどうにかしてくれないことだって判ってる。いや他のライン相手ならウォヌだってどうにかしてくれるだろうが、96ラインの中に入ると、普通にケンカ相手が1人増えるだけみたいになるから。
「いい加減にしろよ」
ウォヌは普通にホシとジュンの間に割り込んでいく。でも2人がそれを無視して、当然のように3人で睨みあうはめになる。
「あ?」ホシが不機嫌そうな声を出す。
「あ?」ジュンが無機質な視線とともに冷たい声を出す。
そんな2人のことを交互に見て、2人のもめ事を終わらせに来たことを一瞬考えるんだろうに、チングなだけにムカつきもするのかもしれない。
「ぁあ?」ってなんだか一番不機嫌な声を出すウォヌがいた............。
ディノが思わず「ウォヌヒョン、止めてくれるんじゃぁ......」と口にしたとしてもしょうがないだろう。まぁ心の中では『やっぱり......』とも言っていたけど。
だいたいウォヌは何で2人が揉めてるのかってことを理解してないから、もともと納めどころなんてわかってないし......。
そんな中、ディエイトは鏡越しにチラリと時計を見た。
だいたいの予定時間は聞いている。もう軽んじられる立場でもないからか、トラブルでもない限り予定が早まることはあっても押すことはほとんどない。
ディノはちょっとだけそんなディエイトに止めてよって視線を投げてくるけれど、どちらの意見が最終的に通るにせよ、ホシとジュンはいつだって後腐れがない。
あんなに睨み合ってぶつかりあったんだから、しばらくはギクシャクするんじゃないかっていう周りの予想を裏切りまくって、だいたいいつも30分もすればいつも通りの2人に戻ってたり、また別のことで揉め始めてたりする。
だからディエイトだって気にしてなかったし、何かスケジュールでもない限りは放置されてるはずなのに、パフォチの部屋のドアをエスクプスが開けたと思ったら、「ヤー」
って言葉だけで全員の視線を集めて。「時間切れだぞ」って言って、簡単にすべてを終わらせてしまった。
「ウォヌは戻れ。ミンギュ戻したら一番手で写真撮るから」
ジュンとホシとディノがエスクプスの言葉に廊下を見れば、少し離れた場所にデビューしたばかりの弟たちが緊張した感じで整列してた。
写真は自分たちからでもいい。ディノはそう言った。パフォチはもう全員揃ってるから。
だけどエスクプスはチャレンジ動画があるかもと言って、パフォチは最後と言った。
その言葉にディノはテンションがあがったけれど、ホシだってそれは一緒だったかもしれない。
1人廊下を覗かなかったディエイトが、すでに弟たちの動画をスマホで探して再生をはじめてて、全員でそれを覗き込む。
「パフォチ全員でやる?」
ディノが聞けば、「いや、1人か2人がいいだろ」とジュンが言った。
せっかく揃ってるのに......とディノは思ったようだったけど、ディエイトの「いずれは全員と撮るにせよ。1人ずつ撮ってやった方が、それだけチャレンジ動画が出せるだろ。さすがに今日、それだけ撮る時間はなさそう」って言葉に納得してた。
セブチにとっては初めての弟たちで、マンネなディノにとってはそれこそ本当に弟たちのようで。
自分たちがデビューした時も事務所のヒョンたちは優しかったしよく奢って貰ったし着なくなった服だって貰ったけれど、まだまだ事務所もそれほどの時期だったから、それは多少以上の無理があったはずで......。
甘やかすつもりはないけれど、できることは全部してやりたい。そう思ってた。
さっきまで揉めに揉めていたはずなのに、「俺からでいい?」とホシが言えば、「お前からがいいに決まってる」とジュンが言う。
振りを叩き込みだしたホシに、ジュンもディエイトもディノも、ポイントとなる箇所を指摘しはじめた。
椅子もテーブルも荷物も全部さっさと横に避けて、ホシが踊るのを見ながらジュンもディエイトもディノも頭に叩き込んでいく。それから身体にも。
自分たちの曲じゃなくても揃えたくなるのは、パフォチだからといいうよりも、セブチだからかもしれない。
「ダメだよ。解釈は辞めよう。あの子たちとあわなくなる」
踊りだしたばかりなのに堪らなくなって無意識にブラッシュアップしかけるホシを、ジュンが冷静に止める。
そうやって全員でまたスマホを覗き込んで......。
弟たちが部屋に入ってくるまでの十数分の間に、パフォチは驚くべき集中力を見せた。
まぁでも、弟たちが来るまでだったけど......。
やっぱりパフォチは忙しないちおうか騒がしいというか落ち着きがないというか。
テンションが上がると謎に吠えるホシと、その顔でなんで緊張するのか判らないと言われることの多いカクカクした動きのジュンと、ニコニコしてるのに人見知りだと勘違いされたり言語がまだ苦手だと思われることの多いディエイトと、弟たちの存在に「ヒョンがね」「ヒョンはね」「ヒョンだからね」って、ヒョンを使いたいがために言葉の数が異様に多くなってるディノと......。
写真を撮るだけなのにホシはやっぱり叫んでたし。
いやでも、チャレンジ動画を撮るってはなしにもちゃんとなって、その打ち合わせだってしたし、とりあえずはある程度踊れるって4人で揃えて見せたら感動もしてくれたけど......。
なかなかに評判も良かったけれど、なかなかに要注意なイメージも持たれたパフォチの面々だったかもしれない。

The END