最近クパンは遠慮がない。
飛行機の中でも隣り同士だし、なんでかモタレアッテイルと表現するのも憚られる感じで、カサナッテイルって感じ。
「シュアヒョン。あれちょっと、注意した方がいいんじゃない?」
細かいことは気にしないタイプのホシですらそう言うのに、言われた方のジョシュアが「見るな見るな」と手を振ったほど。
ホシはウジの脇腹をコツいてクパンの方を指さしたけれど、「別にいいだろ。ケンカしてる訳でもないし、何が問題なんだよ」と返されただけ。
「いやでも、ほら、セブチの風紀? 的なもの? ディノだっているんだし」
ホシがどもりながらもそう言えば、「どこの国でも法を守ってる限りは問題ないだろ。それに、チャニがいたからってなんだよ。あいつが成人したの、何年前だよ」とあっさりと言い返される。
「でもほら、あの2人、手も繋いでる」
「手ぐらい繋ぐだろ」
え? 繋がないだろ。普通は......と言いかけたホシだったけど、「ほら、手ぐらい繋ぐって」とウジに手を繋がれてしまったため、黙ってしまった。
クパンのようにバレバレな感じじゃなくて、それはホシのポケットの中の出来事で2人しか知らない事実。
それから韓国から日本までの距離の近さを思い出して、どうやったら長く飛行機が飛び続けるのかを考えて、ちょっとだけ、誰かが飛行場に爆破予告でもしてくれないかな......なんて、不穏なことも思ったホシだった。
最近クパンは遠慮がない。
ラブラブなのも甘々なのも隠しもしない。
「シュアヒョン。あれちょっと、注意した方がいいんじゃない?」
恋人繋ぎしてるその手はもう誰からも丸見えの状態で、ウォヌと手を繋ぎたいのを我慢してるミンギュはちょっとだけムカついてジョシュアにそう言ったっていうのに、言われたジョシュアは「見えない見えない」と手を振ったほど。
「なに? どうした?」
ミンギュがムッとしてるのは、ウォヌには秒でバレる。
だから「ほらあれ」ってクパンの恋人繋ぎを指させば、「あぁ、ラッコみたいだよな」とウォヌが笑う。
「いやなにそのカワイイ例え」
ミンギュは思わずのけ反りそうになったほど。それからここが飛行機の中じゃなければ、ガバッてウォヌのことを抱きしめたのにと、悔しくなったほど。
「なに? なんでそんなに悔しそうなんだよ」
ミンギュの気持ちなんて、やっぱりウォヌには秒でバレる。
だから「俺も手、繋ぎたい」ってミンギュが呟けば、ウォヌは全然普通に「いいよ。ほら」と手を広げて見せてくる。
「ほら、冬だし、上着の下にいれとけば見えないし。な」
無事にウォヌとの恋人繋ぎをゲットしたミンギュは、これだけ簡単に願いが叶うなら、抱きしめたいと言えば良かったとか考えて、当然それもウォヌには秒でバレていた。
最近クパンは遠慮がない。
ホシやミンギュがジョシュアにそれをチクるたびにジョシュアは「見るな見るな」「見えない見えない」と適当に手を振っていたけれど、そんなジョシュアの横にはジュンがいて、「いいなぁ」ってそのたび呟いていた。
「なに? ミョンホと席変わってやろうか?」
そうジョシュアは言ったけど、ジュンは首を振る。
それから「ほら」とディエイトの方を指さすからジョシュアがそっちを見れば、飛行機の中にお気に入りの本を持ち込んだらしいディエイトは、靴を脱いで座席の上にあげて小さくまとまった状態で、真剣な顔をして本を読んでいた。
あれだけ集中していれば、手なんて繋ぎに行こうものなら邪魔にされるだろう。
「お前も見てるだけで幸せって、タイプなら良いのにな」
そう言ってジョシュアが笑うから、ジュンが首を傾げれば、「ほら」と今度はジョシュアが指さす。
見ればそこにはスングァンがいて、隣りの席で眠ってるバーノンのことをニコニコしながら眺めてた。
たぶん隣りの席に座れただけで幸せだとか、スングァンは本気で思っているんだろう。
「あそこまで俺は純粋じゃないけど」
ジュンがそう言えば、「まぁな」とジョシュアが笑う。
それからおもむろにジョシュアは立ち上がって、クパンの2人に自分の上着を投げつけていた。
驚きはしても怒りもしなかった2人はその上着があるのを良いことに、なんでかもっとくっつきはじめたけど............。
The END
1785moji
202211241602
가자 윤짱(行こう、ユンちゃん。)とエスクプスがWeverseに投稿した日。