妄想heaven

SEVENTEEN全員でのドラマか映画が見たいな......

この世界から消えてはいけないもの

 

ウォヌが突然、「俺、トイレのドアはなくても大丈夫だけど」とか言い出した。
「は?」当然ミンギュはそう言った。

世界から猫が消えてしまう小説を手に入れたという。
悪魔だったか神様だったかがあらわれて、1日寿命を延ばすために、何かを差し出せと言うらしい。

「え? なんか、その本ってそういう話だったの? 差し出すのはトイレのドアでもいいの?」ミンギュがそう聞けば、ウォヌは「どうだろ?」とか言う。

実はまだ読んでないらしい。
猫が消えてしまうおはなしは、手に入れはしたものの悲しいかもしれないから読めないでいるんだとか。
ミンギュはさっさとググって、本のあらすじを手にいれた。

「いや多分、トイレのドアとか言われないと思うよ。もっとこう、大事そうな『時間の概念』だとかを差し出すかどうかみたい」
「え? そうなの? 指定されるの? 俺、部屋のドアもなくてもいいけど」
「そんなにドアばっかり差し出されても、相手も困ると思うけど」
「うんまぁ、そうかも。でも見られても困るもんじゃないから」

思わず『何を?』って聞きそうになったミンギュだった。だって自分たちの部屋のドアがないと、結構困るから......。

その日からウォヌは、「俺、車のドアがなくてもいけるかも」とか時々言う。
いや、基本運転が乱暴な国なのに、それじゃぁ急カーブとかで人が転げ落ちるだろうと指摘すると、「ドアの変わりにネットとかでいいんだけど」とか言う。

「いやそれより、なんでドアなの?」

ミンギュの素朴な疑問に、ウォヌは「だって、ドアって結構ないと困ると思うから。俺はギリギリ、それを差し出すんだよ」と言う。
ドアってどうよ......とか思っていたけれど、ウォヌにとっては結構悩みぬいた結果らしい。

「俺たちの部屋のドアだって、なくなったらカーテンでもかけたら、どうにかなるじゃん」

ウォヌはそんなことを言うけれど、『いや、どうにかなるかな?』と結構真剣に考えたミンギュだった。防音性は保てないかもしれないが、遮光カーテンの重たい系なら中を見られることはないかもしれない。でもやっぱり声は聞かれてしまうだろう。あの時のウォヌの声を誰かに聞かせるなんて、メンバーでも嫌かも......とか、真面目にそんなことまで考えたほど。

きっとそんな話題をウジあたりが聞いたら、『いや、聞かされる方が嫌だわッ』ってツッコんでいただろうが、ウォヌにちょっとだけ引っ張られるようにして、ミンギュが巻き込まれだした。

「あ、エレベーターのドア、俺なくても困らないわ」

ウォヌがミンギュの横でそう言えば、「まぁ確かに」とかミンギュまで言うようになったから。
でもさすがに、「俺、どこでもドアもなくてもいいかも」とか言った時には、「元からないわッ」とツッコんだミンギュだったけど............。

The END
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