「あ」って口をして、そのまんま声に出したのはホシで。
「は?」って声を出して、思わずホシのことを真正面から見てしまったのはウジだった。
2月14日。HAPPY CARAT DAYって風船がもう飾り付けられている場所には、ポツンと1人、ホシが座ってた。
ウジの後ろから入って来たスングァンやディエイトやドギョムが、「ホシヒョ~ン」って言いながら近づいていって、なんでか楽しそうに「元気だよね?」「大丈夫だった?」「ちょっとの間だったけど、寂しかったよ」とか、わちゃわちゃしてた。
「は?」
そんな中ウジは1人、もう一度そう言ってしまった。
だって今朝電話をした時にホシに、「早く会いたい」と言ったのは自分だったけど、「うん、ちょっとの我慢だって」とかホシが言って、2人揃って思わず言葉を失って、バカみたいに電話なのに長い長い長い長い間を取ってしまって、半分は照れながら、「コロナめ」って言いあって電話を切ったのに。
「..................は?」
ウジはわざわざホシの前まで言って、そう言ってみた。
「いやいや、いやいやいやいや、いやいやいやいやいやいやいやいやいやいや」
ホシが慌ててる。曰く、「俺だってこんなに早く、戻って来れるなんて思ってなかったんだよ。マネヒョンに呼びにこられた時だって、俺だけ別室とか別スタジオとかで、遠隔で参加なんだろうなって思ったもん」ってことらしい。
じとって目で見ていたら、「ほんとだって、嘘じゃないって。知ってたら絶対言ってたって。いやまさか、濃厚接触者ってこんなもんだって知らなかったんだって、マネヒョンに最初に聞いた時にも、確認しますって言われただけだったし。嘘じゃないって」って物凄いホシが慌ててる。
まぁでも、ホシの嘘は確実に判るから、嘘じゃないんだろう。
どうしたってホシはニヤニヤしながら嘘をつくし、楽しくなって笑っちゃいながら嘘をつくからバレバレだし。
絶対次にあった時には、「心配させんなよ」って言ってやろうとか思ってて、今日は絶対「ホシがいないと、カラットは寂しがるよ」って言おうとかも思ってて。
それなのに感動の再会なんて微塵もなくて、気づけばホシはいつも通りに元気に笑ってて、次から次へと集まって来る仲間たちと普通に話してた。
でもそこには、パネルとなったウォヌもいた。だから喜びは控えめにしたけれど、今日からまたウジの作業部屋にはホシが来て、決まった時間に運動に行ってっていう日常が戻って来ると思うと、やっぱりどうしたって嬉しかったウジだった。
The END
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