陰性だったことはメンバーだけのカトクに一番に載せたのに、みんなの色んなメッセージの中で、ウジのスタンプは驚いてるとも喜んでるとも取れるような、可愛いパンダのスタンプだった。
電話はかかってこない。
だからホシは気にせずに電話をかけた。
『なに?』
忙しい風を装って、すぐに電話に出なかったことなんて判ってる。
だから気にせず「忙しいのにごめん」って言えば、『おぉ』ってなんでもない感じ。
「心配かけてごめん」って言えば、『心配なんてしてないけど』って言う。
でも電話口で鼻をすすれば、『陰性だったんだろ?』って聞いてくるから、絶対心配だってしてて、気にしてて、電話だって待っていたはず。
だって忙しいはずなのに、『お前、風呂あがりに油断して薄着とかじゃないだろうな』とか言ってくれて、そのままホシが黙ってても、自分からは決して切ろうとはしなかったから。
『お前のせいで、運動行くタイミング、掴みにくくなったじゃん』
いつもは2人で行ってる運動の、タイミングを逃すと文句まで言ってくる。
「うん、ごめん」って言えば、『お前が悪い訳じゃないのなんて、判ってるからな』って言う。
誰も悪くないし、もうどう頑張っても防ぎようがないフェーズに入ってる。きっとそんなことは世界中の人が知っている。
でもどうしたって自分たちがそうなってしまえば、迷惑をかける現場は多いだろう。
メンバーだけのカトクでは、ウォヌが一番に「ごめん」って謝って、皆から「謝るな」って怒られていた。
「すぐに会えるよ。俺たちも、ウォヌも」
そう言えば、『............わかってる』って言う。
ほんの少しの間の中に、「会いたい」って言葉が含まれていたような気がした。
だから2日も、3日も、ホシは電話をかけた。
意地っ張りなウジは電話をかけてはこないから。
なのにかけるのが遅れると、『お前何やってんの? ダラダラしてんの?』ってカトクが来るけど............。
The END
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