妄想heaven

SEVENTEEN全員でのドラマか映画が見たいな......

(仮)どうしたって13人もいるもんで

 

久しぶりに13人が揃って、テンションがあがっていたっていうのもあるだろう。と、信じたいけれど、いつだってセブチは騒がしいし、ちょっと違う。

だけどその日それに拍車をかけたのは、「わぁ、今日スングァニに密着入るって」って言いながら、楽屋に慌てて戻って来たドギョムの言葉だった。
廊下で密着のスタッフたちを見つけたらしく、一番下っ端っぽい人が持ってた画用紙には密着のタイトルなのか、『(仮)どうしたって13人もいるもんで』と書かれていたという。

確かに最近スングァンはあちこちで活躍していて、1人でバラエティに出ることも多い。だからどこかのバラエティで密着が入る可能性だって低くはない。

だから全員で「おぉッ」ってテンションあがって喜んでたのに、ホシが突然「なぁ、それって、俺らも出られるかな?」とか言い出して、「そりゃ映るだろ。とりあえずスングァニの後ろにいたら」ってウジが冷静に言う。そうしたら今度はウォヌが「それってインパクト勝負ってことじゃん」とか言うから、謎にテンション爆上がりしたジュンが「俺、絶対出たい」と拳を握りしめていた。

ジュン曰く、長らくディエイトと2人国に帰っていたから、ここはどうしたって絶対映り込んで、撮れ高を大量ゲットして色々挽回したいってことらしい。

いやそこで普通に誰かが「何が?」とか、「そういう問題じゃないだろ?」とか、言ってくれれば良かったのに、ホシが「クユ集合」とか言い出して、クユズの4人が集まりだすもんだから、慌てたようにドギョムが「俺らは? 俺らはどうする?」ってディエイトとミンギュに話しかける。

そんな様子を見ていたエスクプスとジョンハンとジョシュアは、弟たちのことをニコヤカに笑って見てたから、てっきりそんなことには参戦しないと思ってたのに、「昼の弁当、スングァニの好きなもので攻めようぜ」ってジョンハンが言い出せば、「コーヒーの出前もとろう」とジョシュアが言う。そんな2人に「はぁ」って溜息をつくエスクプスが、「もっと早く知ってたら、コーヒーカーとか用意したのに」とまで言っていたから、クオズはスングァンの密着の際に華々しさでも演出したいらしい。

そうこうしてる間にも、隣りの楽屋に挨拶がてら遊びに行ってたスングァンとバーノンとディノが戻って来た。
だから全員がスングァンを捕まえたかったのに、なんでかマネヒョンに呼ばれてスングァンだけがまた出ていく。
しかも「俺トイレ先に行っていい?」って言ってるスングァンに、マネヒョンが「いや、トイレはちょっとだけ我慢してください」とか言ってる声まで聞こえてきて............。それがまた意味深で............。

「いやこれはもう決まりだな」とホシが言えば、「トイレまで密着する気かな」とウォヌが言い、「物凄い攻めるじゃん。それならネット系の密着かも」とかウジが推理して、ジュンが「じゃぁインパクト、もっと強くないとッ」ってさらにテンションをあげていた。

もちろんそんなクユズの声はほかのメンバーにも聞こえていて、「ダメだよ。俺ら、ソファで3人で並んで寝た振りなんて、全然インパクトないじゃん」とドギョムが焦ってる。さっきまではミンギュを真ん中に、ディエイトとドギョムが両方からもたれかかって幸せそうに寝てる姿でも見せればいいんじゃない?っていう話になっていたのに、どうやらそれでは、インパクトは足りそうにない。

当然ながらジョンハンが、「俺ら、火鍋でもする?」とか言い出して、「いや、肉も焼くとか?」とジョシュアもまた言い出して、「ケーキも用意するか」と呟いたのはエスクプスで............。

「ん? なに? ヒョンたちみんな、どうしたの?」

ディノが不思議な顔で呟くのに、全員必死すぎたのか、マンネなディノなのに無視られていた。ディノがバーノンに向かって「ねぇ、なんか変じゃない?」って聞いたけど、一緒に戻って来て同じものを見て聞いたはずのバーノンは、そんな楽屋の雰囲気には全く気付かずにイヤホンをつけて音楽を聴きながらくつろぎはじめただけ。

仕方なくディノはちょっと首を傾げながらも、スングァンのことを追いかけた。
きっとスングァンならそういうことにすぐに気づくはずだから......って思いながら。

でもそんなディノの姿を見てホシが、「俺らも行こう! トイレに先回りだッ!」とか叫ぶから、クユズの4人が移動する。謎に団結力があって、謎に行動力があって、謎に迷走してても傍から見たらちゃんとしてそうに見えるから止められることもなく。
いや、トイレに先回りして何があるのか............なんて、きっと誰も判ってないだろうに。

「ピザも頼むか」ジョンハンが言う。
「チキンも頼もう」ジョシュアが言う。
「クラッカーも用意しなきゃ」エスクプスが言う。
いやもうクオズの三人は、誰にも止められないのを良いことに色んな物に手をだしはじめてる。

楽屋の床に直接敷いたマットの上では、ミンギュが一番下で、その次にドギョムで、一番上にはミョンホが寝っ転がっていた。

「いやこれ結構キツイから、密着来る直前じゃないと無理かも」

真剣な顔でミンギュが言えば、「確かに」ってドギョムが言う。それから「俺は大丈夫だけど?」ってディエイトが言えば、「当然だろッ」「一番上なんだからッ」って下の2人からツッコミが入る。

そしてバーノンは1人、そんな様子には気づかずノリノリだった............。

で、ディノがどこに行ったかというと、スングァンを探してた。あちこち行って見つからないからとトイレまで行ったら、トイレの中からホシとウジとウォヌとジュンの声がした。だから何も疑問も思わずに「ヒョンッ」って声をかけたのが失敗だった。

「おぉ、ディノや、スングァニ来た?」ってホシが聞く。
当然見つけられなかったから、「全然来てないし、どこにもいなかった」って答えれば、今度はウジが「いやこの格好俺が辛いんだけど」って言う。「まぁ確かに。俺も下で辛い」ってウォヌの声もして、「俺はまぁ大丈夫。でもトイレにいるからトイレしたいけど」ってジュンの声もした。

「ヒョンたち、何してんの?」

あぁそう聞いたのも、ディノの失敗だったかもしれない。ここはもう何も聞かなかったフリをして、逃げてしまえば良かったのに、どう考えても1つの個室の中から全員の声がしてくるから。しかも......。

「ヤー、トイレでトイレすんなッ」
「ハジマッ」
「わーーーーー」
「別に気にしないけど、俺、見られても」
「「「俺らが気にするわッ」」」

って声が聞こえてきて、ディノが言葉を失っている間にも、そこはどうしたって誰でも入ってこれちゃうトイレだったから............。

新しくなった事務所の後輩の方たちが、あろうことかトイレには入って来たところで............。
そしてトイレの個室からは、「何やってんだよトイレで」ってホシが言いながら出てくる。その後に続いてウジが「トイレでふざけんなよッ」ってどの口が言うんだってことを言いながら、それからウォヌが「トイレはまぁいたらしたくなるよな」とか言って笑ってて、ジュンが「先に帰ってていいよ」って言いながらトイレのドアを閉める。

後輩たちが、言葉を失っていた。いやまぁディノだって失っていたけど、とりあえずは目の前を手も洗わずに去っていくホシとウジとウォヌを横目に、「い、いや、どうしたって13人もいるもんで?」って言って逃げたディノだった。

これはヤバイとスングァンを探したけど見つからず、楽屋に戻ってみればバーノンは1人ノリノリだったけど、なんでかミンギュとディエイトとドギョムがこんがらがっていた。上に重なるのは負担が大きすぎると、絡まることにチャレンジしたらしい。

あぁタイミングが悪く、開けっ放しの楽屋の外から、これまた後輩たちが挨拶してくれた。
謎に絡まっているミンギュとディエイトとドギョムを見てギョッとしていたけれど、ディノだってギョッとしていた。なんでか晴れやかに、挨拶をかえしてた3人だったけど......。

当然今度もディノが、「い、いや、どうしたって13人もいるもんで?」って言いながら楽屋のドアをそっと閉めたけど............。

それからしばらくして、楽屋には次々と出前が届いた。
トンカツやら、焼き肉弁当やら、チキンやらピザやら、ビビンバにキムチチゲにチヂミに火鍋セットにサブウェイまで。

スングァンを探しにまた廊下に出たディノはそんな様子を驚いた顔で見てる後輩を見つけて、もう開き直ったように「どうしたって13人もいるもんで」って言いきったのは言うまでもない。
結局スングァンを見つけたのは、色んなものが山のように楽屋に届いた後のこと。

話を聞いて状況を察して、「チェスンチョルッ! ユンジョンハンッ! ホンジスッ!」ってスングァンが叫ぶ。
マンネラインのスングァンに怒られながらも、3人が嬉しそうに笑ってた。

当然スングァンは、クユズの面々に向かっても怒ってた。ディノからトイレの話を聞いたからってのもあるけれど、「いくら密着だからってトイレまでは行かないからね。そんなの考えなくたって判るだろッ」って怒ってた。

インパクトがって言ったのはウォヌだよ」とホシが言えば。
「トイレまで密着するのかって言ったのもウォヌだ」とウジが言う。
「クユ集合って言ったのはホシだし、ネット系の密着かもとか言ったのはウジだろ」とウォヌだって言い返す。
「だって俺は撮れ高が............」ってしおらしくジュンが言う。

まぁそんなことを言い始めたクユズの面々は、当然のようにまたしてもスングァンにまとめて怒られていたけど。

本当ならクチルズの3人だって怒られていただろうに、力尽きながら、3人揃って寝てたから救われた。まぁまだマシな3人だったからかもしれない。それほどインパクトもなく、それほどはた迷惑でもなく............。

そしてバーノンは1人、たくさん届いた料理に喜んでいた。なにがどうしてこうなったのかなんて、まったく気づいていなかったけど、気にもしてないからか知ろうともしてなかったけど............。
たくさん届いた、さすがに13人でも食べきれない料理は、スングァンがディノと2人で後輩たちに配ってた。ちゃんと事情説明して謝りながら。

でもスングァンの密着は事実らしく、その日程はまだ少し先だけど、本当にあるらしい。
もちろんそれを知った面々が、いやそれならちゃんと準備できるじゃん......とか思っていることなんて、スングァンもディノも、当然バーノンもまだ知らない。いやたぶんバーノンは、きっと一生気づかないだろうけど。

 

The END
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