毎日一緒にいるはずなのに、今日はまだ一度もボノニと話してない。
そう言ってスングァンが凹んでた。
「行って来いよ」
だからホシがそうやって、スングァンの背中を押す。
「でもきっと、嫌がられる」そう言ってスングァンは立ちすくむのに、「嫌がられるぐらいなんだよ」ってホシが笑ってる。
「ずっと一緒にいるんだろ? 離れるつもりなんて、ないんだろ?」
そう言われれば頷きはするが、「でも嫌われたらどうするんだよ」って呟くスングァンに、「嫌われる訳なんて絶対ないって」って、ホシがやっぱり笑う。
「アイツだって絶対お前のこと好きだよ。だから自信持って行って来いって。今日はまだちゃんと話せてないからって、言えばいいだろ」
絶対大丈夫って何度も言ってやって背中を押して、最後には本当に宿舎の玄関まで見送って「ほらとっとと行って来いって」ってスングァンのことを追い出したホシだった。
「なにアイツ、なんであんなに自信ないの?」
そう言いながらリビングに戻ってきたホシだったけど、「いや、お前が謎にありすぎるだけだろ?」ってジョンハンに笑われた。
「いやでも、ブスングァンなのに? あんだけあちこちからお呼びかかってて、全部のオファーを完璧にこなしてて、面白さも可愛さも全部期待の上を行ってる奴なのに? ボノニごときで何をビビってるんだよ」
真剣にそうホシが言えば、「普通は好きな相手には臆するもんなんだよ」ってジョンハンが言うから、ちょっとだけホシは考えた。
「いやでも、ヒョンは全然臆してないじゃん。下手すりゃ、あんだけ自信ないの、うちじゃぁスングァニだけじゃん」
言われてジョンハンも考えたんだろう。「まぁそうかも」って言って笑ってた。
思えば一番乙女でもあるからかもしれない。ほかの面子はどうしたって男で、恋だ愛だと言ったって、結構自分に有利な状態で物事運ぼうとしてたりするかもしれない。
スングァンだけは、いつだってホワホワと、相手を想ってる気がする。
でも誰よりも幸せそうにしてるんだけど......。
いつまでも、はじまったばかりみたいな恋を胸に抱えてる感じで。
「それにしても、昨日も今日も明日も明後日も、ずっと一緒にいる相手によくそこまで新鮮に恋ができるよな」
そうホシが呟けば、「お前が朝から昼から夜から夜中から夜明けまで、ジフニのこと追いかけて作業室に運動場に通ってるのも、凄いと思うけど?」ってジョンハンにツッコまれて、ちょっとだけ「............そうかも」って口籠っていたホシだった。
The END
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