注意......
日頃から妄想を書いてますが、さらに妄想となっておりますので、ご注意ください。
クパン（両親？）と、ホシウジ（子供＝小学校1年生頃）設定の301号室と、
ジョシュア（保護者）と、ディノ（永遠の5歳児）設定の302号室と、
ウォヌ（社会人）とミンギュ（大学生）の、兄弟？設定の303号室。
そんな彼らのおはなしですが、それでも良ければどうぞ............
ため息と隣人と feat.愛のバカヤロー
ジョシュアが、「いや、ため息つきたいのはこっちだって」って呟いたのは、その日何度目かの電話がウォヌからかかってきたから。
「ヒョン、ミンギュ帰ってきた？」って。
そんなに待ち焦がれてるなら電話でもカトクでもして、戻る予定日を聞けばいいだろっていうのに、「それでまだまだだったら、耐えられないかもしれれないじゃん」ってウォヌが言う。
韓国には戻ってるというのに、ミンギュが迎えに来るまで空港のホテルに泊まって帰らないと、なんでか宣言されたけど、ジョシュアにしてみれば好きにすればいいじゃん......って感じ。
ウォヌとミンギュは、ジョシュアにとっては隣人で、ディノがお世話になってたりもするからと最初は電話のたびに、「見てきたけどまだ帰ってない」と対応してたけど、日に何度もかけてきて「ヒョン、まだ？」とか言われると、優しさの塊みたいなジョシュアだって「いい加減にしろよ」とも言いたくなる。
「わかった。お前らんとこの玄関の扉に、戻ったらすぐ来いって張り紙しとくわ。ホテルの名前と部屋番号も書いとく」
そうキレ気味にジョシュアが口にしたのに、ウォヌは目からウロコだったのか「ヒョン凄い！」と喜んでいた。
とりあえずウォヌとの電話が終わってみれば、数分と話してなかったはずなのに、不在着信が十数件。
それに今度はジョシュアがため息をつきそうになった時に、また電話が鳴る。
かかってきた相手なんて確認しなくても判る。だから「お前いい加減にしろよ」とこれまたキレ気味のジョシュアだったけど、電話の向こう側のエスクプスも必死なんだろう。
「もう一回、もう一回ハニに俺んとこに電話するように言ってくれよ」と、泣きが入った感じで言う。
数日前から、ウォヌと示し合わせたかのように交互にジョシュアに電話してくるエスクプスは、ジョンハンが電話に出てくれず、カトクしても既読にもならず、ジョシュアに様子を見てこいとうるさい。
最初はジョンハンが倒れてるんじゃないかって心配そうだったけど、今はもう無視されてることがわかってるからか、ジョンハンから電話が欲しいって伝えてくれと訴え続けてる。しかもちゃんとジョシュアがジョンハンに伝えてるってのに、「お前ほんとに伝えた？」とか失礼なことも言うから、「俺もお前からの電話にもう出ないからな」と言えば、電話の向こう側でさらに情けない声で謝っていたけど。
エスクプスもまた、電話の向こう側から深い深いため息を零すものだから、鬱陶しいことこの上ないけれど、まぁエスクプスの方が切実なんだろう。何せ今エスクプスは、海外出張で日本にいて、家に駆け戻れる状況じゃなかったから。
「で、お前今度は何した訳？」
本当は犬も食わない奴だろうから間に入りたくもないけれど、ジョンハンの落ち込みようも酷かったから、しょうがない。
エスクプスとジョンハンと、ウジとホシだってジョシュアにとっては大切な隣人で、ディノがこれまたお世話になっているから......。
「わかんないよ。俺は何もしてないって」
電話の向こう側のエスクプスは、本当にわかってないようだった。
「とりあえず、もう一回言ってみるから」
そう言って終わったエスクプスとの電話は、ここ数日、だいたい同じ感じではじまって同じ感じで終わるものだった。
それからジョシュアはペンを持って家を出て、紙とかを忘れたけれど、面倒になって玄関のドアに油性ペンで直接書いてやれ......って心境だった。
どうせミンギュが戻れば、すべてはミンギュがうまくやるだろうから。
あと数秒で本当に油性ペンで玄関を汚すところだったけれど、絶妙なタイミングでミンギュが階段を駆け上がってきて......。
伝言を伝えれば、ミンギュは荷物を放り出して階段を駆け下りていった。
「ヒョンありがと愛してるッ」って叫びながら。
ミンギュが放り出した荷物を見て、やっぱり「いや、ため息つきたいのはこっちだって」って口にしたジョシュアだったけど、ひとまず荷物は放置した。
それからエスクプスとジョンハンの部屋の前で、ちょっとだけ気合を入れる。
こっちはさらに、重たい内容になりそうだったから......。
The END
1703moji
