今回は前回のTTTとは違って飲酒は我慢するぞって誰かが言ってたはずなのに、気づけば飲んで遊んで歌ってた。前のと何が違うかっていったら、場所が違って、水場で遊んだってだけ。でも楽しかった。
結局、カメラを止めた後もやっぱり楽しんで、謎なゲームを次々にジョンハンが生み出すもんだから、みんな負けまくった。だからエスクプスは自分の分も飲んだし、ウジの分も飲み続けてた。しかも変わりに飲んだことに対するお礼には、ハグを求めてたりして、ただの酔っ払いだったけど。
当然、そんなことができるならとホシが次は俺が変わりに飲むと頑張っていたけれど、なぜかホシがそう宣言してからはウジは一度も負けなかったりして、ホシがギャーギャー言っていたり......。
で、気づけば毎度のことながら、その場に残っていたのはクオズの3人だった。
ドギョムは明日も1人、早く出ないといけないしミュージカルがあるから、ジョンハンが気遣って1番早く寝かせてた。
ディノとスングァンは楽しんだけどそれ以上に飲みすぎたのか、潰れるのは早かったし、バーノンは相変わらず気づけばいなくなってて勝手に寝てた。しかも人のベッドとかで。
ミンギュとウォヌも消え、ホシとウジも消え、チャイナの2人も消えて。
何度かジョンハンが全員の様子を見に行っていたけれど、特に問題ないって帰って来ては、3人で謎に乾杯して、飲み続けてた。
もうカメラも回ってなくて、とっくの昔にマイクだって外されてるってのに。
「撮れ高がないなら、寝起きするか、帰りもカメラ回すかする?」
そんなことまでちゃんと確認したけれど、スタッフたちからは「編集で苦労しそうなぐらいに撮れすぎてますんで大丈夫です」って返されたから、それなら明日帰りの車の中で死んだように眠ればいいと、飲み続けることにしただけのこと。
まだ情報は出してないけれど、チャイナの2人がいなくなる。
そんなこともあって、3人で話すことは尽きなかった。
いつだって話し合うのは、自分たちが弟たちに、何ができるのかってことばかり。何をしてやれて、守ってやれるのかってことばかり。
時々はふざけて、時々は真剣に、時々は思わず泣きそうになりながら。まぁ、酒が入ってるから仕方ないけど。
「行ってこいって言ったけど......」
エスクプスが星空を見上げて言う。
気持ちは判る。何かあった時にすぐに駆けつけてやれない距離だから。
「大丈夫。あの2人なら、絶対大丈夫」
ジョンハンが自分に言い聞かせるように言う。
でも自嘲気味に、「ドギョミが1人でミュージカルに参加するのも、俺時々吐きそうになる」とも言う。
助けてやれないのに、見てるだけしかできないのは辛いから。
「あの2人なら、ギリギリまで頑張るだろうけど、いざとなったら逃げてもいいって、ちゃんと教えてきただろ」
全員でボロボロになるまで頑張ってきたけれど、それでも誰かを犠牲にしてまで頑張ろうとは思わないって、いざとなったら全員で逃げてもいいって、何度もそう話してきた。それは不幸な話がある度だったり、全員で行き詰った時だったり、ウジにだけ負担がかかりすぎていた時だったり、エスクプスが休んだ時だったり。
3人でバカみたいにまだ何も起きてない未来を心配して飲んで、大丈夫って言い合って飲んで、それから同じぐらい未来に期待して飲んで、ドギョムのミュージカルだけは早く終わってくれないと胃が痛くてしょうがないっていうジョンハンの発言に笑いながら飲んで。飲んで。飲んで。
クオズのTTTはそうやって、過ぎていった。
The END
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