「ねぇヒョン。ちょっと相談いい？」
そんな感じでスングァンがウジの作業部屋にやってきたから、当然歌のこととか、曲のこととか、そっち系の話だと思ったのに、相談内容は謎だった。
スングァン曰く、「ホシヒョンはどうしてあんなに熱烈に愛情を伝えてくれるの？」だった。
「は？ それならアイツに聞きに行けよ。俺が知るかよ」
まぁウジの回答は当然だろう。
でもスングァン曰く、「ホシヒョンにはもう聞いたもん。でも、『そこにウジがいるから』ってしか言ってくれなかったんだもん」とのこと。
「は？ 俺は山かよ」
まぁウジがそういうのも無理はないだろう。
迷惑なことこの上ないが、ホシは確かにウジに熱烈に愛情を伝えてくれる。
大好きだとか、愛してるだとか、そういう言葉以外にも態度でも当然。一緒にいられるだけで嬉しいって言うし本当に幸せそうだし。
だから......と、スングァンが言う。
「だからね。ボノニがもっと熱烈に来てくれる方法を、ウジヒョンに聞こうと思って」
「いや、それならボノニに聞きに行けよ。俺が知るかよ」
当然のようなウジの回答に、「ウジヒョンも役に立たないじゃん」とか酷いことを言って、スングァンが去っていく。
とりあえず、謎な相談には答えられなかったけれど、スングァンはいなくなった。
それからしばらくして、作業部屋にはウォヌがやって来て、「俺、スングァニに役立たずって言われた～」とか言ってたから、スングァンはウジの後にウォヌのところに行ったのかもしれない。
さらにしばらくしてからジョンハンがやって来たから「ヒョンももしかしてスングァニに役立たずって言われた？」って聞いてみたら、「俺が？ そんなこと言われる訳ないじゃん」って返事。
「なに？ スングァニはお前らんとこにも来たの？ それで役立たずって？ でも俺が役立たずな訳ないじゃん」
なんでか自慢げだったからスングァンに何を言ったのかを聞いてみたら、「そんなの簡単じゃん。ボノニのベッドに寝て待っとけって助言したけど」って返事に、ウジもウォヌも思わず言葉を失ったけど......。
「いやでも、無理だろ」ってウジが言えば、「まぁ無理だろ」ってウォヌも言う。
反論するかと思ったらジョンハンだって、「無理無理」って笑ってた。
まぁ無理だろう。いろいろ。色々。
あれだけ無防備で、あれだけ心の中が透けて見えるぐらい気持ちが真っ直ぐだと、逆に簡単には手が出せないはずだから。
バーノンのベッドで素直に寝て待ってる間に熟睡したスングァンを見て、バーノンは何も言わずにスングァンのベッドで眠ることにしたらしい......と、後から聞いて、ほらやっぱり......と頷いたウジだったし、ウォヌだったし、「ありゃ、俺も役立たずじゃん」って言ってたジョンハンだった......。
The END
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