妄想heaven

SEVENTEEN全員でのドラマか映画が見たいな......

理解不能な愛のたくらみ

 

アンラッキーなことがあったけど、ラッキーなこともあった。それから、やっぱりアンラッキーなことがあって、それでも、超絶ラッキーなこともあった。

それが、ホシの今日の出来事。
たぶん朝一に星占いとかを確認していたら、1位なのかビリなのかよく判らない運勢だっただろうけど、もう少し気をつけて行動はしていたかもしれない。

ということで、今日はホシのスマホが壊れた日。
いや正確には、ジョシュアとディノと一緒に旅行を行った時に壊れてたから、正確には今日壊れた訳ではないけれど、あの後しばらくしてから中の写真や動画だけは取り出したくて修理に出したら、多少なりとも動くようになっていた。まぁカメラ部分には水が入ったままなのか、写真や映像はかなりぼやぼやでメルヘンな感じのものが撮れたけど。

それが今日、木っ端微塵とは言わないけれど、壁にぶち当たって多少砕けて、とうとう本当に壊れてしまった。
ちなみにホシのスマホを怒りに任せて壁にぶち当てたのはバーノンで、なかなか珍しいから皆が驚いていたけど......。

まぁ、ホシがスングァンのシャワー風景を盗撮したと思ったからだから、それぐらい怒っても当然かもしれない。

そもそもの話のはじまりは、ホシが昼過ぎにリビングでちょっと凹んでたことからはじまった。
起きたら一緒にスタジオに行くから声かけてってウジに昨日から声をかけていたというのに、起きたらウジはもういなかった。
声をかけるどころか、置き手紙もなければ、カトクにメッセージもない。
たぶんホシがそんなことを言っていたってことを忘れたんだろう。いやもしかしたら、ホシの声は届いてもいなかったかもしれない。

「うそん。そんなことある?」

思いっきり声に出して、ショックを隠してもいなかったら、ハニヒョンが通りがかって。
たぶんホシのアンラッキーのはじまりは、ココだったかもしれない。

「どうした?」

そう聞かれたから正直に、「ジフニに置いてかれた」って話をしたら、笑って「あいつの視界にお前はいないな」とか言われ、否定ができずに悔しがっていたホシだったけれど、「印象が薄いんじゃね?」とかジョンハンが言い始め............。

いやたぶん、そこにスングァンでもいたら、「いや、ホシヒョンのどこが印象薄いんだよ」とちゃんとツッコんでくれただろうが、残念ながらスングァンは一人での新しい仕事の企画を聞きに、朝から事務所に顔を出すとかでいなかった。

ということで、「インパクトが大事なんだよ。何事も」というジョンハンの助言が続く。いやもうそれは助言というよりも、「そそのかし」てるだけだったけれど。

「聞いて。聞いて」

しかも何故かジョンハンが、イイコトでも思いついたかのようにそんなことを言い出して、「今お前の中にある、一番凄いたくらみを実践してみるとか」と、意味不明なことを言う。普通なら「は? ヒョン何言ってんの?」って言うはずなのに、なんでかホシがそれで、「たくらみ? え? いいの?」とか言い出した。

ジョンハンとホシの凄いところは、雰囲気とか感覚とかが、絶妙なところでリンクしてるところだろう。案外気のあう二人で、何故か否定しあわない。

一緒の宿舎で暮らす、案外常識人で生真面目なスングァンにしてみれば、迷惑な二人でもあったりする。二人が自由すぎるから。

そそのかした......という意味では、ジョンハンだって怒られるべきなんだけど、その内容には一切ふれずだったために、「いやだって俺、まさかホシが風呂を盗撮するつもりだったなんて知らないし」と言われれば、誰からも責められないという、案外それすらも最初から計算してたんじゃないか......って感じだけれども、ジョンハンは誰にも怒られたりはしなかった。

そして何故にホシが風呂の盗撮に乗り出したかというと、「だってジフニが一緒に風呂も入ってくれなくなったんだもん」という、誰が聞いても「じゃぁしょうがないね」とは言えない理由だった。

今やジョンハンとホシとウジとスングァンが暮らす宿舎なのだから、さっさと自分たちの風呂場にカメラを設置すれば良かっただけなのに、完全犯罪でも目指したのか、ホシは何故か別の宿舎にまでやってきて、そっちにカメラを設置した。まぁカメラって言ったって、壊れかけのスマホで、ちゃんと撮れたってボヤボヤした映像になるものだったから、問題はないだろうというのはホシの言い訳。
だってカメラを仕掛けられた方は、それがちゃんと映ってないだなんて、当然ながら知らなかったはずだから。

そして被害にあったのは、ウォヌだった。
普通に脱いで、普通にシャワーして、鼻歌なんて歌いながら頭や体を洗ってサッパリして、シャワーから出ようとしてはじめてカメラの存在に気づいて。
それでもウォヌは、まさか盗撮......だなんて微塵も考えず、「スマホ忘れてるの誰?」ってリビングに戻ってその場にいた面子に声をかけただけだった。

そこに「あ、それ俺の」って手をあげたのがホシで、きっとそこにいたのがエスクプスやドギョムやバーノンだったなら、全てはスルーされて終わっていたかもしれないけれど、エスクプスの部屋を訪ねてきたジョシュアがたまたま通りかかった時で、たったそれだけのやりとりにピタリと足を止めた。

「ん? なんで? ホシのスマホがここの風呂にあるの?」

見た目は一番ぽやぽやしててスルーしそうなのに、見た目とうらはらに見逃さないのがジョシュアなんだろう。 
素直なホシが笑顔で「え? 盗撮の練習?」って答えたりするもんだから、当然のようにジョシュアに「クォンスニョン、正座」と床を指さされ、当然ながらはじまった事情聴取。事情を聞いてもやっぱり「あぁそれならしょうがないよね」とはならなかったけれど、結局それほどジョシュアも怒らなかった。何故なら盗撮されたウォヌが笑ってて、「なに? 見せて。俺? あ、ボヤボヤで絶妙に映ってないじゃん」と喜んでいたってのもあるし、それが一緒に旅行した時のスマホで、ジョシュアももうそれがちゃんとした映像が撮れないものだと理解してたってのもあるから。

まぁでも、地味に痛そうな感じで、頭グリグリはされていたけれど............。

その場にはディノもいて、バーノンはディノからそれを聞いたらしい。
「ホシヒョンがウジヒョンを盗撮するのに、練習した」っていう話の、かなり冒頭部分だけで、バーノンはディノの前から驚くほどの速さでいなくなった。普段のぽやぽやした感じは何処へ............って感じで。

まぁそれもそうかもしれない。スングァンの宿舎はホシとウジとジョンハンが一緒で、ウジを盗撮するための練習なら残りはスングァンかジョンハンだけど、そんなのには絶対に引っかかりそうにないジョンハンだから、残りはスングァンしかなくて。
スングァンだったなら絶対シャワーしながら楽しそうに歌ってたり、女子力高めの洗顔風景とかがバッチリ映ってそうな気がするから。

「ホシヒョン、何やってくれてんの? いったい」

物凄い勢いでバーノンがやって来たと思ったら、そう言って、覗き込んでた壊れかけたスマホを奪い取られて、それは一瞬で壁にぶち当てられて、砕け散ってまではいかないけれど、多少砕けて落ちて、最初から壊れてたけど、完璧に壊れた。

「見たの?」

そう聞かれて素直に頷いたホシだったけど、頷いた後に「何を?」とか、トボけたことを言っていた。
バーノンが怒ってることは理解できても、何に怒ってるかなんて全然理解できてなかった。
ありがたいことにその場にはまだジョシュアがいて、「ボノナ。映ってたのはウォヌだから」って一言で、すべてを終わらせてくれたけど。
もしもそんなジョシュアの言葉がなければ、ホシはバーノンに殴られるぐらいはしてたかもしれない。

「ぁ? ウォヌヒョン? なんで?」

まぁそうだろう。同じ宿舎で練習したと、普通なら思うはずだから。
ちなみにバーノンは、当然ながら最初ホシたちの宿舎に行って、ちょうど事務所から戻って来たスングァンしかいなかったからさらにこっちの宿舎まで駆けてきたらしい。なんでか裸足で。まぁ同じマンション内だから、きっとそれぐらいは大丈夫だろうけど、慌てて追いかけてきたスングァンが、「な、何怒ってんだよ」って驚いていた。

怒るなんてこと、滅多にないバーノンだからだろう。
後から追いかけてきたのはディノも当然驚いていたし、壁にスマホがぶち当たった音でやってきたドギョムだって、「なに? ケンカ? どうした?」ってオロオロしてた。

「大丈夫。誤解は解けたから」

そう言って、やっぱりジョシュアが説明してた。
盗撮されたのはスングァンじゃなくて、ウォヌだからって。だいたいの説明をしながら肝心なところもちゃんと伝えてた。元から壊れてたから、映ってたってぼやぼやで何がなんだか判らないからって。

「映りがぼやぼやしてたって、一歩間違えなくても犯罪だからね。盗撮は」

まともなことをドギョムが言う。
ディノもそれに頷いて、でもふとスングァンのことを見て、固まっていた。

なんでかスングァンが顏を真っ赤にして、でも嬉しそうな感じで、バーノンのことを見てるから..................。

「いやまぁ気持ちは判るけど」

思わずそう言ったのはホシだったけど、皆からお前が言うなとツッコまれた。
でもそんな周りの空気も言葉も全然届かないのか、スングァンが小さく、「別に、気にしないのに、一緒に風呂だって入った仲なんだし、今更、そんなに怒らなくたって」と言うのに、「俺は嫌だ」と想像しただけでも怒りがぶり返してきたのか、ムッとしたままのバーノンが答えて、スングァンはやっぱり酷く嬉しそうに、それでいて全員の視線をやっと感じたのか、酷く照れていた。

「いや俺ら、何見せられてるの?」

やっぱりそう言ったのはホシで、当然のように皆から............。
結局照れまくったスングァンが、バーノンの手を引っ張って消えてったけど。なんだか、幸せそうで「いいなぁ。俺も、あぁいうのやってみたい」とホシが素直に口にして、「相手がウジヒョンじゃ、あれは無理でしょ」っていうドギョムの冷静な声に自分もないなと思ったのか、「ないな」って納得してた。

ジョシュアにグリグリされて痛くなった場所を押さえていたけれど、それをアンラッキーと言うには自業自得な気がする。
しかしすぐに、良いことだってあった。

今後はドギョムから事情を聞いたミンギュがすっ飛んできたから。
その場にはウォヌだってジョシュアだってまだいたというのに、ホシの前にスライディングする勢いでやって来て、「ヒョン。その壊れたスマホ、俺に売って」と言い出したから。

「あ? 壊れたけど? 完璧に」
「いや大丈夫。俺が残り人生をかけてでも自力でなおすから」

そんなことまで言い切ったミンギュは、「いやお前何に人生かけてんだよ」っていうホシのツッコみも空しく、色んな破片もせっせと集め、壊れたスマホをゲットしていた。
結局はお金ではなく、ホシが好きな時に好きな料理をいつでも作るっていう謎な契約を結んでた。

その場にはウォヌだってジョシュアだっていたっていうのに、全然目に入ってないのか気にしてないのか、ミンギュがホシに「ヒョンありがとう」ってにこやかに感謝の言葉まで口にしていなくなった。

「あいつ、バカだな。俺の裸が見たいなら、言えばいいのに」とウォヌが言えば。
「ほんとにバカだな。ぼやぼやな映像って、聞いてないんだな、たぶん」とジョシュアも言う。
「いやでも、夢があっていいよな」となんでかホシがそんなことを言えば、またもや二人からお前が言うなとツッコまれた。

そしてホシのアンラッキーなことは、そんな出来事がディノがチクったから、ウジにバレたことだった。
「その目をくりぬいてやろうか」っていう、そりゃもう恐ろしいカトクが送られてきて、ビビってたホシだった。

「だってお前が俺のことを置いていくから」

って言い訳染みたカトクを送れば、「だったら早く来いよ。お前の曲、もうできたけど」っていうメッセージが帰ってきて、一転ホシは有頂天になって、ウジが待つ作業部屋へとすっ飛んでったけど............。

まぁ迷惑なことに、そんな二人のやりとりは、セブチ全体のトークルームを使われたことだろう。

「いやでも何が怖いって、ホシヒョンの中にそんな「たくらみ」があることだよね」とその後、カトクで呟いてたのはディノだった。
「でも見たいなら、シャワーしてるところを急襲すればいいだけじゃん」という強気のディエイトもいたけど。
「あ、それでこないだ俺の風呂入ってるとこに来たの?」というジュンもいて......。
「ジョンハナ。一緒に風呂入りたい俺も~」と叫ぶ統括がいたり......。

なんだかホシのせいで。せいで? せいで。セブチのカトクはかなり混沌としていた日。

 

The END
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