妄想heaven

SEVENTEEN全員でのドラマか映画が見たいな......

愛があるから feat.愛のバカヤロー

注意......

日頃から妄想を書いてますが、さらに妄想となっておりますので、ご注意ください。

クパン(両親?)と、ホシウジ(子供=小学校1年生頃)設定の301号室と、

ジョシュア(保護者)と、ディノ(永遠の5歳児)設定の302号室と、

ウォヌ(社会人)とミンギュ(大学生)の、兄弟?設定の303号室。

そんな彼らのおはなしですが、それでも良ければどうぞ............

 

sevmin.hateblo.jp

 

愛があるから feat.愛のバカヤロー

ミンギュは暮らし慣れた、だけどちょっとだけ懐かしい自分たちの部屋へと続く階段を駆け上がった。
三階建ての三階でエレベーターなし。

きっとイマドキの若者には人気のない部屋だろうけど、今となってはかけがえのない場所だった。
そこはやっぱり、ウォヌと一緒に暮らしはじめた場所だったから。
はじめてウォヌを抱いた部屋でもあって、二人だけで誓いをたてた部屋でもあって、お互いの指に指輪をはめた部屋でもあったから。

一緒に暮らし始めて変化したことと言えばミンギュが大学生になったこと。
二人の暮らしの大半はミンギュによって整えられていて、二人の部屋はいつだって暮らしやすい場所だった。
だからずっとそんな感じだろうと思っていたのに、二年と少し前、ちょっとだけズレてるウォヌの、やっぱりズレた発言によって、二人の穏やかな暮らしはあっさりと終わりを迎えた。

「なぁ、俺、金髪似合うかな?」
「突然なに? 染めるの?」
「ぉん。やっぱりアジア系はバカにされるっていうから、ド金髪で行こうと思って」

いつも通りの時間に帰って来たと思ったら、スーツを脱ぎながらウォヌが突然そんなことを言い始めて、当然ミンギュはウォヌに「なに? 海外? どこに行くつもり?」って聞いた。まぁ聞くだろう。
ウォヌは平然と、「ロンドン?」と何故か疑問形。

「ロンドン? 何? 仕事? 旅行?」
「仕事。大分前に申し込んでた語学研修込みの」
「いつ? 期間は二週間ぐらい?」

料理しながら、普通に聞いてたのに。
ウォヌから発せられた言葉は驚くことに「来月から。期間は二年弱?」だった。
なんで疑問形なのかは謎だけど、ミンギュが思わず「は?」って言いながら、普段なら絶対しないのに、包丁を持ったままで振り返ってしまったほど。

当然のように問い詰めた。
「俺聞いてないよ。そんなこと全然」
そう言えば、「うん。今言ったから」っていう答え。

とりあえずミンギュは包丁を置いて、それから自分を落ち着かすために深呼吸をして、それからウォヌを目の前に座らせて、真正面から見つめ合った。
それから地味に、「なんでロンドン?って疑問形なの?」っていう、最初に疑問に思ったことから詰め始めた。

「いや、多分ロンドンなんだけど、もしかしたらメルボルンだったかも?って思って」

ロンドンとメルボルンなら大分違う。まぁ国も違うし。そこら辺からしてあやふやなのかとクラクラしつつも、さらに詰める。

「二年弱?って疑問形なのは?」
「最初の三カ月は語学研修で、ほぼ休暇みたいなもので、それから出向機関での業務が一年半ほどあって、その後三カ月は休暇っていう名前の、資格取得するための勉強期間らしいから、資格取得にはそれほど時間かからないだろうから、だいたい二年弱?」
「なるほど......」

聞けば素直に答えてくれる。だから当然、「なんで、もっと早く言わないの?」って聞いたけど、ウォヌは普通に「え? 辞令が下りたの昨日だし。それに昨日は帰った瞬間、お前が俺のこと押し倒したじゃん」と答えてきて、昨日の出来事を思い出してちょっとだけミンギュは反省した。平日なのに、抱きつぶしてしまったから。

別段隠してたってこともなくて、入社直後に行けたらラッキー程度で申し込んでたのをウォヌ自身も辞令が下りるまで忘れていたらしい。

でも当然のようにウォヌは「行く」という。迷ってる風も見せないどころか、「俺行っていいよね?」って聞こうともしてこない。

「別に反対はしないけど、それでも俺に、まずは相談じゃないの?」

って言ってみたけど、「したじゃん。相談」って普通に答えられた。
一瞬相談されたかどうかを思い出したけど、すぐに思い当たった。

「いや、金髪にするかどうかの相談じゃなくて。俺と一緒に暮らしてるんじゃん。それなのに、離れ離れになるじゃん。二年も」
「大丈夫だろ」
「何が大丈夫なんだよ」
「だって、愛があるから」
「..................は?」

物凄くバカみたいな顏と声で驚いてしまった。
いや、ウォヌの口から出てくるとは思わなかったような言葉だったから。
でも、本気でそう思ってるのか、その後もウォヌは普通に、「パスポートってやっぱりないとダメだよね?」とか言い出すから、結局全部ミンギュが準備した。

会社からの資料をちゃんと確認したのも、必要書類を揃えたのも、何かあった時のための常備薬を用意したりしたのも、全部全部、ミンギュがした。
それを当然って顔でウォヌが受け止めてて。

当然飛行場まで見送りにいったのもミンギュで、ウォヌはあっさりと行ってしまった。
愛があるから。
だから何も心配ないって感じで、「じゃぁ行ってくる」ってちょっと出かけてくるって感じで。

The END
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