LEFT&RIGHT
ホシ、家も出禁になる
「ほぇ？」
物凄いビックリした声も出したし、バカっぽい顔にもなっていたけれど、ホシはウジの家を出禁になった。
一人大満足って感じでルンルンしてたはずなのに、ウジが普通の顔で近づいてきて、なんでかホシの手を掴んできた。
「え？ なになに？ 家の中でも手とか繋ぐのとかも、嫌じゃないよ」
なんてニヤけていたら、そのまま玄関まで連れていかれて、普通の顔したウジに蹴り出されていた。目の前で玄関の扉が閉まったと思ったら、カギが閉まる音。まぁでも部屋の番号は当然判るから開けられるけどって思ってたら、そのままチェーンがかけられる音もして............。
それから小さく玄関が開いたと思ったら、隙間からホシの靴が放り出された。その後に財布と携帯。それから上着は無理やり押し出された感じ。
なんだか「出て行け」とも言われなかったし、「二度と来るな」とも言われてない。でもその言葉がない感じが、物凄い怒りを感じる。いつもならもっと盛大に文句を言うはずなのに、そんな雰囲気も醸し出さないあたりが、ちょっと怖い............。
でも付き合いは長いから。ウジのことなら、なんだって知ってるから。
とりあえずとばかりにエスクプスとジョンハンの家に向かったというのに、なんでかウォヌから電話がかかってきて「お前今度は何したの？」って聞かれた。
「うぇ？ なんでもう俺が家を出禁になったの知ってんの？」
「いや、それは知らないけど。ついさっきから、ウジのせいでヘンガレが天変地異の前触れかみたいな状態になってるから」
「それは俺とは関係ないんじゃね？」
「いや、絶対あるだろ。で、お前今度は何したの？」
「こないだ寝込み襲って逆ギレされたから、今回は寝起き襲ったらマジギレされたみたい。はははは」
「ははははじゃねぇわ。今ヘンガレでサイクロン発生したわ」
どうやらホシのせいでヘンガレも大ピンチっぽいけれど、家を出禁になったホシは案外どこふく風。
「お前それで、どこ行くの？」という心配声のウォヌに対し、「クプスヒョンとハニヒョンの家。あそこ、家も飯も豪華な上に二人とも優しいし、ヘンガレにもあそこから通えるし」と全然心配してない感じだったからか、ウォヌからは「あ、そ」とだけで電話をあっさりと切られていた。
まぁでも、やっぱりホシはどこふく風。
家は出禁になったけれど、絶対戻れると思っているからだろう。
しばらくは怒り狂ってるウジだけど。
怒りが長続きするタイプじゃないって知っているから。
まぁしばらくはイチゴ牛乳とかを買って「ごめんジフナ～」って手紙つけてポストに届けるのが日課になりそうだけど............。
The END
1114moji
