妄想heaven

SEVENTEEN全員でのドラマか映画が見たいな......

The truth is there

 

TTTから戻ってきて、宿舎でゆっくりするはずだったのに、なんでか全然ゆっくりできなかったジョシュアだった。

行きは途中から運転したし、買い物もしたし、撮れ高を考えてエスクプスのことを揶揄ってもみたり。それからたどり着いた場所でスタッフたちからカメラ位置の詳細を聞いたり、撮影時間についての説明を聞いたり、途中で寝てしまったバーノンの様子を見に行ったり。もちろん皆で楽しくゲームするのにも参加して、途中何度か酒をグイグイのみ、ちゃんと弟たちが無理をしてないかも見ていたりもして。それなのに料理だってした。

95ラインで最後まで起きてて戸締りだってして、皆の様子をちゃんと確認して横になって、それなのに朝一番に起きた。
それからまたスタッフたちを呼び込むために鍵をあけて、朝から撮影がはじまることを全員に知らせて回り......。ディエイトと朝食を食べに行った時だって、律儀にカメラを持って行き。それから全員で片付けをして、帰りはディエイトとジュンを乗せて運転だってした。

少しぐらい宿舎に早く帰り着いたって、それで横になったって、誰からも文句なんて言われないはずなのに............。

『シュアッ。ジフニのこと預かっといてッ』

電話がかかってきてそう言われた......とかじゃなくて、それを知らせに来たのはドギョムだった。なんでかジョンハンと繋がってる自分の電話をジョシュアに差し出してきて。
しかもドギョムはなんでか、ウジの手をしっかりと握って、連れてもきてくれていて。

ちょっとだけ面白くて笑ったら、無表情に見えて珍しくも不機嫌なウジがいて、「なんか俺のせいかも」って言ってるドギョムがいて。

「ハニには後で俺が怒られたらいいだけだから、ウジや、行ってもいいよ」

そうウジに言えば、「そう言われたら、行きにくいじゃん」と不機嫌が増していた。
ちょっとだけオロオロしてたドギョムから話を聞けば、ホシがスングァンになにやら『質』の高いキスをしたっていう話だった。

「だってそれでウジヒョンがツカツカツカって帰ろうとするからさ、ハニヒョンが慌てて俺に、ウジヒョン捕まえてシュアヒョンとこに行けって言うんだもん」
「で、ハニは?」
「スングァニのこと引っ張って、どっか行っちゃった」

色恋のはなしだろうと、仕事のはなしだろうとも、どんな時でもジョンハンは勢いがある。
まどろっこしいことが嫌いで、駆け引きが得意そうに見えて全然で。
もしも自分が誰かのことを強く強く思い焦がれる立場なら、絶対に相手のことを押し倒してるはずなのに、いざ弟たちのことになると、途端に慎重派というか、心配性なオモニのようになってしまうのが笑える。

「じゃぁホシんとこにはクプスあたりを行かせてるのかもな」

そう言えば、ウジが途端に嫌な顔をする。
どうしたって一番ウジに影響力があるのはエスクプスだからかもしれない。
エスクプスだってなんだかんだ言ってウジに一番甘いし。

男らしくピシって何でも言ってくれそうなエスクプスだったけれど、「俺がもう全部言ったから、今回だけは、な、許してやってくれよ」って、何かあるたびに弟たちを庇ってしまうのは、なんだか家族をいつだって守ってくれるアボジのような感じかもしれない。

まぁホシのところにハニによって派遣されたエスクプスは事情を聞いて、ため息をついて、「俺が一緒に謝ってやるから、な」とか言っていたらしいので、ジョシュアの予想はあながち外れていなかった。

「でも、実はそれほど怒ってないだろ?」

目の前でコーラを飲みながら、「俺いつ自分の部屋に帰れんの?」ってボヤいてるウジに向かって、自分もそれなりに働くかとばかりに声をかける。

多分それなりの働きを期待して、ジョンハンは自分のところにウジを寄越しただろうから。

「とりあえず、自分のことよりも、スングァニのために怒ってるだろ?」
「そうだよ。だってそうじゃないと、あいつの分は誰が怒るんだよ」

ボソッとウジが言う。それこそ「それはボノニじゃないの?」ってドギョムが言うけれど、わざわざ誰かが伝えにいかなきゃ、きっとバーノンはそんな話題にも気づかないかもしれない。

「ホシが本当にバカなことしたっていうなら、ハニだってクプスだって怒るだろ、そりゃ。それに、それこそスングァニ本人が、文句言うだろうし。まぁでもウジが変わりに怒ってやっても、問題ないだろうけど。お前の分は誰が怒るんだ?」
「だからッ」

思わず力んだのか、ちょっとだけ大きな声。その声の大きなに自分でビックリして、ウジがちょっとだけ黙る。

「だから?」

ジョシュアは笑ってるだけで、ウジの言葉の先まで判ってるって顔なのに、こんな時は空気も何も読まないドギョムが素直に聞くもんだから、ウジがちょっとだけまた不機嫌になる。

「俺の分はいいんだよ。アイツが、ちゃんと俺の分は謝るんだから」

多分これは、『犬も食わない』っていう奴なんだろう。
判ったようで全然判ってないドギョムが「ん? それって、当たり前のことじゃないの? どういうこと?」って一人判ってなかったけど............。

ジョンハンが、スングァンと話した時間は、小一時間だったかもしれない。
もしも何か問題があるなら、その時間はもっともっと長くかかっただろうし、手に負えないならジョシュアやエスクプスも呼ばれただろうが、そうはならなかった。

戻って来た時にはいつものように笑っていたし、スングァンも「心配かけてごめんなさい」って言いながらも、照れて笑ってたぐらいだから。

でもホシのところでは、「お前仕事以外で飲むの当分禁止」と言い渡したらしいので、優しいばかりでもないんだろう。なんでかホシと一緒に頭を下げたエスクプスもいたというから、後で笑ったけど。

ホシとウジがその後揉めたとか、ケンカしたとか、そんな話は別段聞かなかった。
バーノンとスングァンがその後揉めたとか、雰囲気が悪くなったとかも、当然なかった。
なんでか最近しみじみと肩を叩かれるとジュンが、「なんだよ、なんなんだよッ、ぁあッ」とキレかけていたけれど、別段それだって大きな問題じゃない。
まぁなんでか宿舎に戻った直後にウォヌとミンギュがケンカをしていたけれど、モノに当たる訳でもなく、言い合いをするでもない二人だから、気づいたのはジョシュアぐらいだったかもしれない。

賑やかな合宿が終わって、やっと落ち着いた日常に戻るのか............に見えて、ディノがなんでか「お疲れ様会をしよう!」とか言い出したから、多分まだ賑やかなのは続くかもしれない。

ホシは一人、飲みは禁止だったけれど..................。

 

The END
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