妄想heaven

SEVENTEEN全員でのドラマか映画が見たいな......

バーノン、今日も輝く

LEFT&RIGHT


sevmin.hateblo.jp

 

バーノン、今日も輝く

この世界を一瞬で壊してしまえる「太陽光線」が出る機械は、まだバーノンの手の中にあった。
こないだホシのせいでうっかり人まで一瞬で消してしまったけれど、何故か皆から褒められた。だから本人もあまり気にしてなかったけれど、なかなかそんな機会はもうないだろうと思っていたというのに、案外その機会はすぐに訪れた。

何せウォヌのせいで、ディノが武者修行という名の道場破りに出かけたのはいいけれど、ディノが飛び込んだ場所は金でなんでも引き受けるような輩が集まった場所で、最初の最初、ドギョムが右か左か悩んだ際の左側にいた人たち。

『俺たちは天使はいらない。金だけでいい』

確かそんなことを言ってたはず。
ウォヌが素知らぬ顔で「基本悪者しかいないから大丈夫」と、何が大丈夫なのか判らないことを言っていたけれど、ディノはそれを素直に信じ、武者修行とばかりにあっさり飛び込んで、「なんだお前」とこれまたあっさりと囲まれていた。

悪者しかいなかったら勝手に戦いに行っていいのか......という疑問は残るものの、相手方もいきなりディノに向かってそこらにあった瓶を投げつけてきたほどだから、特に問題はなかった。

「一人でも俺、勝てたよ」

とディノは言うものの、卑怯な戦い方をする輩相手には、分が悪かったかもしれない。
だからバーノンに連絡をしてきたのは、ウォヌの優しさだろう。多分............。

「ディノや~。適当に逃げてね~」

と言いながら颯爽とあらわれたバーノンが、「太陽光線」が出る機械を振り回していたから、思わずディノすら消し去られそうになっていたし、古びた建物も倒壊寸前みたいな状態になっていたけれど、そんな中でもバーノンだけがキラキラ輝いていた。

ディノを助けにきたのかちょっとだけ微妙なバーノンだったけど、結果、金でなんでも引き受ける輩たちは見事成敗したかもしれない。

「なんで来たのヒョン」
「ウォヌヒョンから連絡あったから」
「一人でも俺、勝てたよ」
「うん。でもウォヌヒョンがね、勝つとか負けるとかの勝負じゃなくて、圧倒的に木っ端みじんにしてきてって言うから」
「俺の武者修行だったのに......」

頑張りすぎるディノのことを、バーノンはいつだって尊敬してる。
いつだって自然体でそこにいるバーノンのことを、ディノだっていつも尊敬してる。

「ディノはディノらしくいたらいいよ。もう充分強いんだし」
「でも、俺まだまだだよ」
「ジュニヒョンとかディエイヒョンとかと、比べたらダメだって」
「でも、俺、ほんとにまだまだだし。スングァニぐらいにしか勝てないし」
「なんで勝つ必要があるんだよ。仲間なのに。それにどれだけ武者修行したって、ジュニヒョンにもディエイヒョンにも、きっと追いつけないだろうし.......」
「............そうかも」
「武者修行だって悪くないけど、それで楽しい時間を過ごせないなんて、残念だよ。明日、クプスヒョンが水陸両用車に乗せてくれるっていうし、ディノも行くだろ?」
「............なんか怖いけど、行く」

世界を終わらせることができる武器を手にしていても、バーノンは世界平和を願ってる。
そして仲間たちと楽しく過ごすことを、一番楽しんでいる。
もちろん翌日、水陸両用車で物凄く叫ぶことになるなんて、まだ知らない二人だったけど......。

 

The END
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