妄想heaven

SEVENTEEN全員でのドラマか映画が見たいな......

Heng:garae

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ハングルは書けないし読めないけれど、最近とっても好き。そして胴上げは、人生においてしてもらったこともしたこともない。完璧無関係だったのに、セブチのおかげで、特別なものの仲間入りをするかもしれない。そう思うと、愛は偉大で人生は不思議だ。

 

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エスクプスさんです。赤い車のと悩んだけど、可愛すぎるのでこれを。カワイイなぁ。美人だなぁ。泣けるなぁ。謎な肺炎のせいでドームコンとかが潰れてしまったけれど、でもそのおかげでゆっくり過ごせると思ってたのに、全然ゆっくり過ごせないじゃん。

 

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ジョンハンさんです。悩みに悩んでコレを選んだ。天使なはずなのに、天使だからか、惑わされてばかり。でもね。彼は自由自在。変幻自在。きっとメンバーたちにもありがたい存在で、儚く見えるのに強いから、色々任せても大丈夫だと思う。天使なのにね。

 

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ジョシュアさんです。悩んだけど車の中の一枚を。思うことも願うことも山ほどあるんだけど、ジョシュアさんを前にすると言葉がでないかもしれない。でも大丈夫。ジョシュアさんは優しい人だけど、強い人でもあるから。流される人では、ないはずだから。

 

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ジュンさんです。こっちを向いてない写真を選んでしまった。いやでもね、ジュンさんもこっち見られると、眩しすぎるので、しょうがないです。韓国語でも中国語でもたくさんワーって話して、その後に照れて顔を隠してしまうジュンさんが大大大好きです。

 

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ホシさんです。車のと悩んだけど、柔らかい表情の一枚を。踊る姿も、叫んでる姿も、テンション高い姿も大好きだけど、ちょっと力抜けてるホシさんが大好きだ。いや、ホシさんの好きなところを探し始めると、真っ逆さまになりそうだから我慢するけどさ。

 

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ウォヌさんです。一択でした。いや、エロくないですか? 運転できないのに、運転席に座ってミンギュのこと待ってそう......なんて、勝手に妄想してしまった。いや最近ミーニーに毒されすぎだな。反省。ウォヌさんの幸せを強く強く願うので許してください。
 

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ウジさんです。楽しそうに笑ってるのと悩んだけど、カメラを持ってるコレを。うん。手がいいよね、ウジさんは。そしてウジさんにはもっと幸せになって欲しいんだけど、ウジさんが幸せと思うことは些細なことな気がする。ご飯をたくさん食べることとか。

 

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the8さんです。悩みに悩みんで、でも足が良いのでこれを。彼はどんな写真だって、彼のものにしてしまう。世界も、空気も。それは才能なのか、努力の結果なのか。決して押しつけがましいものではなくて、感じるままにと差し出してくれる感じも好きだな。

 

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ミンギュさんです。写真は悩んでこれにしました。ミンギュさんは今も変わらず、私の中では、頼んだキムミンギュって思ってる人です。セブチを任せても大丈夫な人。失敗することも含めて、拗ねたり笑ったりしながらも、いつでもセブチを守ってくれる人。

 

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ドギョムさんです。一択で選んだこの写真。なんかね、優しく幸せそうに笑ってる姿も大好きですが、ふと男らしさを感じさせてくれる姿が大好き。彼の腕はいつだって、誰かを抱きしめるためにありそうな気がするから。誰かを守る人になったら彼は強いよ。

 

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スングァンさんです。写真はコレ。スングァンさんは、心がキレイな人だ。癒しをくれる人だ。楽しさをくれる人だ。ケンカしてくれる人だ。困ってる人を見捨てない人だ。優しさとは、何かを教えてくれる人だ。愛とは何かを、態度で示せる人だ。大好きだ。

 

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VERNONさんです。彼の写真も悩みに悩んでこれに。うん、顔がアップだとね、眩しすぎるからw でもどんな姿も愛おしいんだけど。彼は自由って言葉がよく似合う。でも守られるべきだとも思う。大切に大切に、守られていて欲しい。愛されていて欲しい。

 

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DINOちゃんです。大切な大切なマンネだなぁってしみじみ。頑張ってる姿もからかわれてる姿も、あの声で一人爆笑してる姿も、愛おしくてしょうがないよね。ディノちゃんが幸せだと、ヒョンたちは幸せで、セブチが幸せだとカラットさんたちも幸せだよ。

 

 


[INSIDE SEVENTEEN] SEVENTEEN COMEBACK SHOW [Heng:garæ] BEHIND

 


세븐틴 보고싶었어♥ 깜짝 팬미팅 with 캐럿 | 세븐틴 컴백쇼 [헹가래] 200622

 


′에필로그′ 세븐틴과 같이 가요♡ | 세븐틴 컴백쇼 [헹가래] 200622

 


[청춘 Chapter 3] 세븐틴의 청춘 일기 | 세븐틴 컴백쇼 [헹가래] 200622

 


[청춘 Chapter 2] 세븐틴의 추억 여행 2탄 | 세븐틴 컴백쇼 [헹가래] 200622

 


[청춘 Chapter 2] 세븐틴의 추억 여행 1탄 | 세븐틴 컴백쇼 [헹가래] 200622

 


[청춘 Chapter 1] 세븐틴의 헹가래 순간 | 세븐틴 컴백쇼 [헹가래] 200622

 


♬ 만세 - 세븐틴(SEVENTEEN) | 세븐틴 컴백쇼 [헹가래] 200622

 

 

Heng:garae

LEFT&RIGHTの世界の、クパンの二人のおはなしです。

sevmin.hateblo.jp

 

Heng:garae その日

「後で電話する」

エスクプスはそう言ったのに、その日、ジョンハンに連絡が入ることはなくて、「なにアイツ、ムカつく」とか言ってたのに、次の日にも連絡は来なかった。

ムカつくって打つのも面倒で、怒った顔のスタンプをカトクで連打していたけれど、既読にもならなくて、スマホを取り上げられでもしたのかと思っていたのに、事故現場で十数メートルも飛ばされたらしいエスクプスのスマホが本人のもとに戻って来たのは、ジョンハンがエスクプスの病室にたどり着いた日から、大分経ってからだった。

事故は不意に起きるもので、突然で、残酷で。
小さい子どもが道に飛び出してきたのがキッカケだったらしいけれど、それを避けようとした車が反対車線に飛び出して、その車を避けようとしたトラックがハンドルを切って。説明を受けたけれど、理解するのは難しそうなぐらい複雑な状況で、結果エスクプスが乗る車も巻き込まれて、救急車に乗せられた時にはかなり危ない状況だったらしい。

ジョンハンが病院に駆け付けた時には、恐らく二度と歩けないだろうという話はもう出ていた。脊髄を損傷したからだという。フロントガラスを突き破って飛び込んできた鉄の塊が、後部座席にいたエスクプスの身体の一部を貫いたからだとか。
ご両親やお兄さんが、「リハビリすればどうにかなるんじゃ」って言うのすら、医者は否定した。

「車イスで生活するためのリハビリは必要ですが、自力歩行は難しいです。奇跡が起きたとしても」 

家族でもないのに、図々しくその場にいたのは、ジョンハンがジョンハンたる所以かもしれない。
誰もが動揺してたその場で一人、「生きてるならいいです」って言いきった時にはじめて、医者が「こちらは?」って聞いたほど。

家族全員がその言葉にさらに何を言えばいいのか戸惑ったというのに、ジョンハンはまた言い切った。当然って顔で、声で、態度で。

「友達です。一生側にいる、友達です。あいつには、いつ会えますか?」

まだその時エスクプスは集中治療室にいて、命の危険は去ったと言い切るにはまだ微妙で、もう少し様子を見たいと医者は言った。
緊急手術の時の麻酔がまだきいていて、痛み止めも流してて、多分意識はまだ混濁しているだろうっていう話で、家族だとしても見られるのはガラス越しの、色んな機械と繋がってる状態だけだって話だった。

なんでそこまで冷静でいられたのかは、自分でもよく判らない。
何もすることがないのにその場を離れられない家族をよそに、ジョンハンは一人、家に帰った。
しばらく帰らない準備をして、荷物をまとめて、明日の約束をしてたジョシュアにもキャンセルの連絡をして、大学の事務局には休学の手続きについても問い合わせをして。

それからまた病院に戻って、誰の邪魔にもならない場所に座って、ただ、エスクプスが戻って来るのを待っていただけ。
目を覚ましたエスクプスに何を言ってやろう。

『お前、電話するっていったくせに、何やってんの?』

あぁ絶対それは言わなくちゃ......って思いながら、ただただ待っていた。
3日経った頃、病院の中の特別室には主がいないのに、エスクプスの部屋ができた。さすが金持ちだけのことはある。
きっと盲腸ぐらいだったら、その病室にジョンハンは入らなかっただろう。
今回のように事故だったとしても、時間が経てば治るようなものなら、入れても貰えなかっただろう。

なのに当たり前のようにそこに迎えられたのは、エスクプスが失ったものが大きすぎたから。できれば若気の至りで自然消滅的に消えて欲しいと思われていたとしても、さすがにそれは今じゃないと思って貰えたのかもしれない。

エスクプスの両親も兄も、普通以上にはエスクプスのことをちゃんと愛していたから。

でもその日、エスクプスがようやく特別室に移されて、目覚めた日。
医者と家族だけが病室に入った時に、一応は遠慮して、廊下のつきあたり、広大な敷地の病院が見渡せる窓の前に一人で立っていた。

長くここにいるかもしれない覚悟を決めて。
やっぱり何を言ってやろうと考えながら。
病室から出てきた医者が、「目覚めましたよ」って言いながら通り過ぎていくまで。

「もう、歩けないだろうってことは、伝えましたよ」

そう医者が普通に言ってきた。
きっともうそれは今となっては、特別なことじゃないから。エスクプスにとってはそれが人生の一部になったからだろう。

大丈夫。気にしない。生きていればそれでいい。それだけでいい。

病室に入る前、深く深く深く、息をした。

The END 

(20201130-20210214) 

 

Heng:garae あの日

エスクプスは自分のことだけど、実はあの日のことを、ちゃんと覚えていない。

「後で電話する」

そう言ったのに、ハニに電話しなきゃいけないのに......ってずっと思ってた気がするけれど、それすらもちょっとあやふやだった。

そして気づけば病院にいた。
家が金持ちだったから、当然のようにそこは特別室で、だだっ広かった。
自分の身体から延びる管が何本もあって、これじゃ寝がえりも打てないじゃん......って思ったのが最初。

あ、ヤバイのかも自分......って思ったのは、仕事でほとんど家にいない父親までもが病室に顔を出したから。
母親も、兄貴も、なんでか泣いていた。

すぐに目覚めたつもりだったのは自分だけで、気づけば事故にあってから一週間も経っていた。
緊急手術を受けて、集中治療室にも入って、今よりももっと管が身体中についていて。
たちまちの命の危険は無くなったけれど、それでも感染症には注意しながら、経過を見る必要があって......。さらりと、脊髄損傷のために二度と歩けないと医者が説明してきた。

普通そういうのって、もう少し遠慮してというか、注意深く患者の様子を観察して伝えてくるもんじゃないか......って思ったけれど、でも意識しても自分の足が動かないことなんて、すぐに気づいてしまうからだろう。

まだそれほどショックじゃなかった。現実が現実として認識できていなかったからかもしれない。後どれぐらいしたら、ズシンとそれが自分に降りかかってくるのかな......なんて、両親や兄たちはエスクプスがショックを受けてるんじゃないかって様子を伺っていたけど、全然、ほんとにまだ全然で。

そこに普通に病室のドアが開いて、ジョンハンが入って来た。
いつもと同じか、それ以上に美人で、ちょっとだけ色んな事を忘れて見惚れたほど。

「お前、電話するっていったくせに、何やってんの?」

言い方だって、その表情だって、声だって。全部いつも通りのジョンハンだった。
後から思えば、そんないつも通りの空気を出すのに、どれぐらいそこに強い気持ちを込めたんだろうと思って不憫になったほど。

「しょうがないじゃん。事故にあってたんだもん」
「だな」
「ジョンハナ俺、もう二度と歩けないって」
「聞いた」

自分の身体から延びる管のせいで動かしづらい。違和感はただそれだけだった。
だから次のジョンハンの言葉に、物凄くテンションがあがった。バカみたいに。いや、ほんとにバカだったのかも。

「俺がその代わり、一生そばにいてやるから、とんとんだろ?」
「マジで?」
「全然とんとんじゃないか......」
「いや、俺的には大ラッキーだけど」

そう言って笑えば、ジョンハンも「お前安いな」って笑ってた。

「あぁでも、もうお前のこと、抱き上げたりできないな」
「いや、そんなこと今までもされたことないわ」
「あ、そうかも」
「お前事故って頭打っただろ」

病室の中で、父親も母親もいて、どちらも堪えきれない涙を流してるっていうのに、ジョンハンと二人でバカなことばっかり言っていた。

本気でその時は、一生そばにいてくれるなら、全然ラッキーって思ったのは事実で。
でも事故った後の身体はやはり疲弊していたのか、それほど長く起きていることもできなくて、気づけば眠ってた。

目覚めたのは夜中だったのに、ベッドの横にはジョンハンが座ってて、しかも起きてて。
きっと眠れなかったんだろうと、今なら判る。
あの日、ふわふわした気持ちでいただけの自分とは違って、ジョンハンは心を決めて口にしたはずだから。

でもあの日以来、ずっとジョンハンは自分のそばにいる。

 

The END(20201130-20210301)

 

Heng:garaeの世界が生まれた理由。

エスクプスの病室の中、面会時間ももう終わってるのに、こっそり忍び込むようにしてそこに行ったのは、事故った日から、二カ月も後のことだった。

ホシが「行こう」と言ってくれて、病院に入ってからもずっと手を握ってくれていた。
だから行けた。

二度と歩けない。
それはもう人伝に聞いて知っていた。

誰のせいだと言えば、事故のせいだろう。
でもあの時、同じ車の中、後部座席でエスクプスの隣りにウジは座っていて、ガッっていう鈍い衝撃音がした瞬間には、一瞬ですべてが終わっていた。

気づけばエスクプスの身体が自分の上に覆いかぶさっていて、あの一瞬で、自分を庇ってくれたんだと気づいた次の瞬間には、その向こう側に車の中にあるなんて信じられないほどの鉄の塊があって、それがエスクプスの身体を貫いていた。

「ヒョン......? ヒョン? ヒョンッ!」

二人して後部座席に縫い留められたように動けないなか、自分の上にいるエスクプスは死んでしまったかのようにピクリとも動かなかった。
血ってそんなにピチャピチャ音がするほど流れるもんなんだ......ってぐらい、覆いかぶさっているエスクプスから血が流れてて、ウジのことを真っ赤に染めていく。

動けないけど痛みはなくて、もしもエスクプスが庇わなければその鉄の塊は確実にウジの身体を貫いていたはずで。
助けられるまでの時間が、数分だったのか十数分だったのか数時間だったのか判らないけれど、頭がどんどん真っ白になって、身体はどんどん真っ赤を通り越して赤黒く染まって、意識を失えることもなく、ただウジはエスクプスの身体がどんどん冷たくなっていくのを感じてた。

できたことと言えば、傷口を必死に抑えることぐらい。
後から、ウジのその行動がエスクプスの命を助けたと医者に言われた。
だけどそんなことを聞いても嬉しくなんてなかった。もう二度と歩けないのに。
エスクプスの両親も兄も、ジョンハンもまたウジに感謝の言葉を口にしたけど、そんな言葉を受けとれるはずがなかった。

だってあの日、エスクプスはウジを車に乗せたから、目的地に向かう前にウジのために別の場所に向かってしまったんだから。
もしもウジを乗せなかったら、あの場所を、通ることはなかったんだから。

母親が昔から友達っていう間柄で、ウジは一人っ子なのに小さい頃から兄がいたようなものだった。小さい頃はよく遊んでもらってた。
高校生にもなれば遊ぶなんて感覚はなかったけれど、それでもいつだって、会えば優しいヒョンだった。

ホシと一緒に映画を見る約束をしてたのに、学校で教師の手伝いに捕まって時間がかかってて、その時ウジは走ってた。別に映画なんて、その日じゃなきゃいけないって訳でもなかったのに。
そこに車で通りかかったのがエスクプスで、珍しく家の車で、運転手付きだった。

送っていくとエスクプスが言うのに、運転手さんは渋ってた。
それが家の用事とは名のもとの、エスクプスのお見合いだったからかもしれない。
別に本気で結婚を望んでた訳じゃない。家柄の良いお嬢さんと知り合って友達ぐらいにはなって、あわよくばお付き合いでもしてくれたらという、親の希望は当然そこにはあっただろう。

表だってジョンハンとの仲を反対されたりはしなかったけれど、一過性のものだと思われていたから。

全部知っていて、親の顔もたまには立てないと......と行くことにしたエスクプスだったから、当然気持ちは重かったんだろう。そこにたまたま、ウジを見つけて、送っていくっていうのを口実に、少しでも気持ちの乗らない予定を後ろ倒しにしたかっただけ。

だから決してウジのせいじゃないんだと、エスクプスが笑ってた。
それならあの日、出かけるように進めた両親の方がよっぽど後悔してたとも言っていたけれど、あぁ、それなら良かった......とは、当然ならなかった。

だってもう、二度と歩けないのに。

会うのが怖かった。会ってくれないんじゃないかと思っていたから。
優しかったヒョンに、もう会えないんじゃないかと思っていたから。
恨まれたってしょうがないって、それでも頭を下げなくちゃって思っていて。

なのに目の前には、「おぉ、やっと来たのかよ」って、いつもみたいに優しく、とびきり嬉しそうに笑ってるエスクプスがいて。

謝っても許されないけど、それでも謝らなきゃいけなかったのに、グズグズと泣いてしまって、ホシに握られた手だけがウジを支えてた。

「ヤー。お前が泣いても俺はもうそこまで行って抱きしめてやれないんだからな。それに、泣くほどのことじゃないからな」

そう言ってエスクプスが笑う。
家は今、エスクプスのために改装中だという。傷は大分癒えてきて、リハビリも始めていて、適当に応援するだけだけど、そばにはいつもジョンハンがいると、エスクプスが嬉しそうに笑ってた。

「昔みたいに一緒に走り回っては遊んでやれないけど、落ち着いたら一緒にネトゲでもやろうぜ」

見舞いの品が山ほどあると、なんでかフルーツの盛り合わせ的なものから、お菓子やらハムやら、なんで見舞いにハムなんだ......とは思いつつも、読み終わったマンガとか、ホシが山ほど持たされていた。
病室を出てから、病院を出るまで。
病院を出てから、病院の敷地を出るまで。
病院の敷地を出てから、バス停に辿り着くまで。
バス停についてから、バスが来るまで。

あとちょっと、あとちょっとだけだから。そう自分に言い訳しながらも、ずっと泣いてたウジだった。

だって泣かないはずがない。
泣かないはずがない。
エスクプスはこれまでと変わらずに笑ってくれたけど、もう二度と歩けないのに。
あの日あの時、ウジと出会わなければ、あの事故には巻き込まれていなかったのに。

結局バスの中でも、ウジは泣いていた。
家に帰り着くころにはさすがに泣いてなかったけど、目が腫れすぎたからか一人で歩くことはやっぱり困難で、ホシに手を引かれたままだった。

 

 

あれからウジは普通に受験して大学生になったけど、まったく関係ない分野に手を出し始めた。
ただバイトしてるだけと言いながら、プログラミングを学びながらあらゆるネットゲームのβ版のテスターをしていたけれど、アルバイトをしてるだけにしてはそれに費やす時間はかなりのものだっただろう。

でもきっとその頃にはもう、一緒に走り回れる世界を構築することを考えていたのかもしれない。
あれからウジは一度も泣かないけれど、ヘンガレを誰よりも必死に守ってる姿を見るたびに、ホシはあの時のウジを思い出す。
でもエスクプスの傷が癒えて、歩けないことにも慣れて、車イスで広すぎる家を暴走してることとかも知って、相変わらずそこにはジョンハンが一緒にいて。
そんな姿を見て、ウジは少しずつ笑うようになったけど。
ウジの心の傷が癒えるには、大学生活を丸々使ったかもしれない。

ヘンガレの世界が生まれた理由。それは、ウジの後悔と、懺悔と、謝罪。たくさんの「ごめんなさい」が、あったから...............。

 

The END(20201130-20210307)