ananでセブチの特集が組まれることが決まったとはじめて聞いた日。
チャイナラインの二人は事務所の会議室にいた。
そして目の前にある、ananを前にフリーズ中。
アンケートに答えるのに、中国語で答えるにしても、韓国語で頑張るにしても、日本語を混ぜるにしても、スタッフヌナたちに助けてもらいながらやろうという話になって事務所にやって来た二人。
ananのバックナンバーがあると聞いて会議室でそれらを見ていたところ、全部で7冊ぐらいある中の3冊目という絶妙な位置に、それはあった。
ちょうどジュンが1冊手にして、ディエイトが1冊手にしたら、ババンと1番前に出てくるという、ほんとに絶妙な位置。
そして二人してフリーズ。
そこには万国共通の「SEX」って言葉と、覗き込めば見えるんじゃないかって感じの裸の男の人と、「セックステクニック18」って文字。
「「........................」」
ちょっとだけ微妙な空気が漂ったけれど、ジュンの手にはファッション特集をしてるっぽいananがあり。ディエイトの手には恋愛特集をしてるっぽいananがあったから。
二人の間には、特に勘違いは生まれなかった。
一旦はそれぞれ手にしたananを手に別々の場所に座ったというのに、我慢できなくなったのは子供じみたジュンで、「見たい」とか、「見たくない？」とか、「見てみたい」とか、「見たいだろ？」とか、遠くからうるさかった。
「見ればいいじゃん。別に。今手に持ってるのをパラパラ見たら、次にいったらいいでしょうが」
手元の普通のananを見ながらディエイトが冷静に言えば、「一緒に見たい」とさらにジュンが我儘を言う。一緒に見たからってどうなるもんでもないけれど、一人では恥ずかしいのか、なんなのか。
「見てもいいけど、どうせ読めないでしょうが」
「いや、読める」
言葉の壁があるというのに、読めると言い張るジュンに呆れつつも、「じゃぁ一緒に見よう」と二人で向かい合った「anan SEX特集 セックステクニック18」。
やはりどうしたって善良なファッション誌だから、写真は際どくはあれどセンスの良い感じのギリギリのところまで。
その横に小綺麗な文字が協調されたりして載っているけれど、漢字は解かれど間に挟まるカタカナやひらがながあってトータル判らない。
「おかしい。中国語からはじまったはずの漢字なのに、なんで日本ではこんなに文字が複雑に発展したんだろう」
「愛とか、身体とかは、判るけどね。ほら、テクニックの1つも理解できないじゃん」
「いや、気合で読めるはず」
謎にジュンが気合を入れて、文字を目で追っていた。
読めたら凄いわ......と思いつつも、もしかしてジュンなら読めるかもしれないと思わないでもない。
「なんとなく極めてきた」
絶対嘘だと思うようなことをジュンが言う。
なんとなく面白くなってきて、呆れながらも笑ってしまったディエイトだった。
そして謎な力でジュンがテクニックを極めようと頑張っていた頃、ネットの翻訳機能を使って完璧に読み切っていたのはミンギュで、その横には呆れ顔のウォヌがいたけれど、まぁそれはまた、全然別のおはなしだけれども............。
The END
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