妄想heaven

SEVENTEEN全員でのドラマか映画が見たいな......

Spring has come

 

新しい曲が公開される日は、いつだってドキドキする。
あまりにもドキドキしすぎて胸を押さえていたら、「え? 恋? 恋に落ちたの?」と、ホシが嬉しそうに聞いてくるのが鬱陶しい。
八万歩譲って恋に落ちたんだとしても、『なんでお前がすでに喜んでるんだ』とツッコみたい。
だけどそんなことを言ったらさらに騒がしくなるので、ふる無視。
なのにホシは落ち込むでもなく、つまんないって顔をするでもなく、その沈黙にすら勝手に意味を見つけて、何故か一人で照れている。
『何も言わなくても、俺はもう判ってるからな』
みたいな視線を送ってもくる。
やっぱり鬱陶しい。

でも............。

本気でウジが辛い時にはいつだって、何も言わずに傍にいてくれるからタチが悪い。
誰だって生きてたら、辛い時やどうしても頑張れない時がある。
エスクプスを欠いての活動中は、どんなに辛くても、辛いとは言いたくなかった。
時折は体調が悪くたって、いつも通りの声が出なくたって。
強がってる分だけ、いつもよりも弱気だったんだろう。
ステージ裏で、作業部屋で、移動車で、カメラの前で、そしてカラットたちの前でも。いつもならやり過ごせるあれやこれやが、どうしてもやり過ごせなくて。
でもそんな時にはいつだって、そこにはホシがいた。
がんばれと言うでもなく。負けるなと言うでもなく。そこにホシがいた。

春を目の前に、エスクプスが戻って来た。
ウジはいつも通りに作業部屋にいて、曲を作ってた。
嬉しいとも、待ってたとも、おかえりとも、どんな言葉も口から出てきそうになかった。その時もウジは自分の胸を押さえてたかもしれない。
油断すれば泣きそうで。

でも............。

顔をくしゃくしゃにして、ぶっさいくな状態で、ホシがもう泣いていたから。思わず笑ってた。
カッコよくなんて全然ない。情けない姿もいっぱい見せてくれる。ガンガン行くように見えて、案外人見知りで。誰にでも強気そうに見えて、本当は弱気で。
でもいつだって、真っ正直で、ウソなんてなくて。ホシはやっぱり、ウジの傍にいる。
泣くのなんて本当はイヤだけど、誰にもそんな姿、見せたくないけど。
でもホシがぶっさいくな顔でワンワン泣く横でなら、ちょっとぐらい涙を流したっていいような気がして。

きっと春がきたって言える頃には、今日のことを笑い飛ばしてるだろう。
楽しいことばかりが、笑ってばかりの毎日が。
そして横にはテンション高すぎて完璧鬱陶しいホシがいるはず。

 

The END
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