妄想heaven

SEVENTEEN全員でのドラマか映画が見たいな......

PRINCIPLE

 

エスクプスが帰って来る。

感極まってマンネラインは泣いていたし、ドギョムは何故か号泣していた。まぁマネヒョンやスタッフヌナたちも喜んで泣いていたから、全体的にテンションがあがっていたかもしれない。

でも案外キムミンギュは落ち着いていた。

もちろん喜んではいたし、誰かが謎にハグしにきたらちゃんとハグしてあげたけど。
それは当然、エスクプスが休みに入った時も一緒だった。
不安そうなマンネラインに、「どうして、知ってたんなら教えてくれなかったんだよ」とジョンハンに詰め寄っていたディノ。感受性豊かなドギョムも少なからず影響されて、普段から頑張ってるのに「俺が頑張るよ」ともっともっと頑張る決意を固めてたほど。

でも96ラインの4人はいつも通り落ち着いていたから。

もちろんホシはテンション高く騒がしかったけれど、96ラインの4人がいつも通りだと、不思議とミンギュは落ち着いていられる。
楽しそうにしてることは当然あるけれど、なかなか4人全員がバタついてることなんてほとんどない。
何かあれば、いつだってミンギュの視線は96ラインの4人に向けられた。
大抵のことは知ってるか気づいてるかの4人だったし、いつだって先を見てる4人だったから。

一番小さいけど、たぶん一番頼りになるウジが、いつも通りの顔で態度で、今日も昨日と変わらずに働きすぎている。
一番カッコいいのに、たぶん一番それを気にしてないジュンが、いつも通りの不思議な行動をして、謎な笑いを生み出している。
一番不遜な態度にみえて、実は一番敏感で臆病かもしれないウォヌが、96ラインの中でいつも通りに寛いでいる。
そしていつだって一番先頭を走っていくホシが、いつもと変わらずに、フルスロットルのままで駆けて行こうとしている。躊躇なく、真っ直ぐに。

だからいつも通りでいいんだと、無理する必要もないし、慌てる必要もないし、ビクつく必要もないんだと信じられる。
あぁでも、キムミンギュは知っている。
そんな96ラインがいつも通りでいられる理由を。そんな彼らを支えてる存在があるってことを。

普段はなかなか気づかないし、滅多とそれに気づくような出来事は起きないけれど、96ラインごとセブチを守ってるのは、95ラインのヒョンたちだった。

エスクプスがいなくなってからの公演で、体調不良が続きつつもどうにか12人で頑張っていたけど、いよいよ11人で出なきゃいけないんじゃないかってなった時、事務所の人から、「エスクプスがいない今、どうにか……」って意見が出た。

あれは誰が体調不良だった時かも忘れてしまったほど、全員が疲れてた時のこと。

メンバー内でも、そうだよね。クプスヒョンがいない今、どうにかしなきゃいけないよね………って空気にもなりかけていたのに、いつだって自分のやりたいようにやってるように見えて、滅多と自分の意見を押し通したりしないジョンハンが立ち上がった。

「だから?」

言った言葉は、その一言だけ。
色んな意見が出る場所で、誰もがセブチのことを思ってる。それは判ってても、立ち上がらないといけない時があるなら、それが今だと思ったんだろう。
エスクプスがいない今、セブチを守るのは、弟たちを守るのは自分の役目だとも思ったのかもしれない。
怒ってる訳じゃない。反論してる訳でもない。でも簡単には引き下がりはしないっていう態度。

「ハニが言わなきゃ、俺が『それで?』って言ってましたけど」

いつもは皆の意見を聞いて、柔らかく頷いてるだけのジョシュアもまた、そう言って立ち上がる。
普段は96ラインや、弟たちの意見を楽しそうに聞いて、自分たちも楽しそうにわちゃわちゃしてて、優しさの塊みたいなヒョンたちなのに。

エスクプスが帰って来た。

気づけば楽屋の隅っこで、95ラインでわちゃわちゃしてる。
96ラインは安定の屋台骨。
97ラインは自由。
98ラインは幸せの塊で。
99ラインのディノは、張り切っていた。

 

The END
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