妄想heaven

SEVENTEEN全員でのドラマか映画が見たいな......

俺のためだけに生きて

 

「俺のためだけに生きて」
なんて、傲慢な言葉を口にしたら、エスクプスは真面目だから、すぐには「わかった」なんて言わない。
大切な相手に嘘はつきたくないとか、いつでも誠実でいたいとか、心のどっかにそんな思いがあるからだろう。
「……………………ちょっと考える」
ほら今も、真剣な顔で言ったからか本気にして、物凄く長い沈黙の後にも、まだ答えを出せないでいる。
悩むなよ......と思わないでもないけれど、クプスには必要な時間なんだろう。

 

「俺のためだけに生きて」
同じ言葉をシュアにも口にしてみる。
「いいよ」
本気にしてないからなのか、あっさりと返される。
でも、ジョンハンと同じか、それ以上に真剣な目で声で表情で………。
「俺がユンジョンハンのためだけに生きたら、きっとつまらなくなるだろうな」
「俺が?」
「俺も、お前も」
「…………そうかも」
誰かのためだけに生きるシュアは、それが自分のためだったとしても、確かにつまらない男になるかも。そしてそれが残念で、ジョンハンもつまらない気持ちになりそうな気がする。
否定はしないのに、結果は見事に覆される。でも嫌でもない。

 

「じゃ、じゃあ、お前も俺のためだけに生きて」
「イヤ」
だいぶ経ってからエスクプスが戻ってきてそう言うのに、即答で拒否ったら、本気で驚いて怒って、言葉を失っていた。
「な、な、な………」
「だってそれって、答えじゃないじゃん。質問返しじゃなくて、まずは俺に、お前の気持ちを答えてよ」
「……………………もう一回、考える」
エスクプスは悪くないのに、ちゃんと答えてないことに反省したのか、文句も言わずにまた考えると言って去ってった。

 

ヒマになったからと言う訳でもないけれど、ウォヌにも同じ言葉を口にしてみた。
「下僕なら、ヒョンにはもうドギョミがいるじゃん」
なるほどって思わず納得しそうになった返し。
96ラインのほかの面子にも聞いてみようかも思ったけど、やめた。単純に皆出払っていたって理由でもあったけど、なんとなく想像もついたから。
優しいジュンは動揺しつつも、話を聞くと言ってくれそう。ウジはキッパリ拒否りそう。ホシはごめんって、謝りながら断りそう。
97ライン以下には、そんなことは言わないし聞かない。

 

「なぁ............。よく考えたらさ、仕事で家を空けたりとか、練習が多すぎていつもいないとか、カラットたちを気にする必要だとか、セブチ全体のこととか、そういうの全部、俺がハニのためだけに生きても、何も問題ないよな?」
悩んだ挙句に、エスクプスが真剣な顔でそんなことを言う。
色んなことを考えてみたんだろう。
「問題なんてないない」
笑ってそう答えたけれど、実は泣きそうだったなんて、クプスは知らないだろう。
当然って顔で笑ってたけど、実は震えるぐらい嬉しかったなんて、クプスは知らないはず。
『俺は、お前のためだけに生きれるけど?』って、ジョンハンが思ってるなんて、クプスは知らない。
「お前のためだけに生きれるよ。俺」
「うん。ありがと」
「ハニは?」
笑って抱きつきながら、こっそりと「決まってるじゃん。俺も」と耳元で囁いてやった。泣きそうな顔は、見せたくなかったから。

 

The END
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