妄想heaven

SEVENTEEN全員でのドラマか映画が見たいな......

平凡な一日のおひるまに

 

ミンギュは朝から、掃除したり洗濯したり、ゴミを片付けたり誰かの朝食を作ったり。緩んでる棚の修理もして。最後には掃除機の掃除までした。

一通り作業を終えた頃には昼も過ぎていて、「何か作るけど~」と声をかければ、誰かがカトクで呼びかけたのか、別フロアの面子まで集まってきた。

それでもまだ一人起きてこないウォヌのことを、時々は誰かが気にかけて部屋を覗いてたりしてたけど、ミンギュは特に気にしてなかった。
ただ当然のように、ウォヌの分の食事も残しておいただけ。

久しぶりの休みだから、ディエイトはカメラを持って出かけるという。
一緒に行く? と聞かれたけれど、断った。

スングァンとディノは朝からわざわざ別フロアに来てケンカしていたけれど、昼を過ぎる頃には二人でじゃれあっていて、結局二人で出かけて行った。ケンカの理由は自分の好きな曲を相手が先に歌った歌わないって話で、二人以外にしてみればどうでもいいようなこと。よくそれでケンカできるなってぐらいの理由だった。

ウジはこの後、仕事はしないけどスタジオには行くという。でも結局行ってしまえば当然のように働くことになるだろう。ホシは身体が鈍らない程度に踊ってくるという。しかもダンサーさんのスタジオに、道場破りかのごとく行くという。迷惑をかけないかちょっとだけ心配。

ドギョムとバーノンは買い物に行くという。その二人で買い物に行ったら止める人間がいないからという理由で、ジョシュアがついて行くという。さっきまでウォヌのベッドに潜り込んで人肌の温もりを堪能してた人とは思えないけど......。

エスクプスとジョンハンは、二人して「デートだデートだ~」とか言いながら出かけて行ったけど、行き先は会社だから、半分以上は仕事だろう。

結局残ったのは、まだ寝てるウォヌと部屋をまだまだ片付けようとか思ってるミンギュと、朝からずっと同じ場所でゲームをしてるジュンの三人だけ。

新しく手に入れた回転モップのクリーナーを使って、フローリングはもちろんのこと、天井すら磨こうと思ってたりして......。そして密かに、こっちの掃除が終わったら、別フロアにも手を出そうとか考えていた。

「なぁ。もうちょっとしたら、俺、なんか食うけど」

のそっと起きてきたウォヌが、両手を伸ばしながらあくびしながら、ボッサボサの頭と、半分以上ひらいてない目と、なんなら涎の後まである状態で立っている。

「ヒョン。もうジュニヒョン以外は全員出かけたよ。ガッツリ食う? ちょっとだけ?」
「最初はちょっとだけ食う。もっと食いたくなったらガッツリ食う」

準備する側のことなんて、何も考えてない返事だというのに、「じゃ、顔洗っといでよ」とミンギュが普通に答えるのを聞いて、ゲームに熱中してたはずのジュンが笑ってた。

でも別に、ウォヌだけを特別扱いしてる訳じゃないと、ミンギュは思ってる。

だってちゃんと、皆の好き嫌いを把握して料理を作っているし、ご飯好きなウジにはご飯が美味しくなるようなおかずを用意するし、健康をいつだって考えているディエイトには本人も納得するようなものを用意するし、ダイエット中のスングァンには低カロリー高蛋白質なものを用意する。

何より、ひと様のものをいつでも「一口ちょうだい」と言って奪っていくホシのことを考えて、皆の食べるものを少しずつ多めに作っていたりするのだから、天才じゃないかと自画自賛してしまう。

「食べたら、お皿とか、水にだけつけといて」

そう言えば、ウォヌは素直に頷くだけ。決して「洗っとく」なんて嘘でも言わない。

「俺、この後、上の部屋掃除に行くけど? ヒョンは?」

口にスプーンを加えたまま、ウォヌが少しだけ考えていた。そしてがっつり寝ていたというのに、「腹いっぱいになったから、もう少ししたらジュニと昼寝する」とのこと。勝手に一緒に昼寝することになったことに、ちょっとだけジュンが驚いていたけれど、ミンギュが二時間ほどして戻ってきたら、リビングでほんとに二人して寝てた。

ミンギュは何度目かの洗濯機を回しながら、夕飯のためという訳ではないけれど、いつでも食べれるような保存しておけるおかずを作り始めてもいて。

わらわらと皆が出かけて行った後の、静かな部屋もキライじゃないけれど、もう少ししたらわらわらと誰かが帰ってきて、少しずつざわざわしていくのもキライじゃない。

スングァンとディノはきっとまたケンカするだろうし、大量の荷物を持って帰ってきそうなドギョムとバーノンのせいで掃除したばかりの部屋はすぐに汚れそうだし、せっかく作ったおかずを食べつくすウジもいるだろうけど。

それだってやっぱり、キライじゃない。
特別なことなんて何もない、平凡な一日の、なんてことない時間。まだまだ今日が続く。そんな時間。

 

The END

 

1976moji