妄想heaven

SEVENTEEN全員でのドラマか映画が見たいな......

Star! Star! Star!

 

「中国って、中国四千年の歴史とかって言うよね?」

ホシがウォヌを捕まえて聞いてきた。

「え? 俺に聞かれても」

まぁ、そうだろう。

しかし別に明確な答えは求めてなかったのか、「だから俺らにはジュニとエイサシがいるから、八千年分じゃん?」とか言い出して、「え? 足してもいいもんなの?」とウォヌを戸惑わせていた。

「え? ダメなの?」

逆に聞かれても……って感じだろう。

ホシは色んな意味で自由だ。常識っていうものが明確にあるとしたら、驚くほどに軽々と飛び越えていく。

「俺はジフニが好きだ」

昔、緑の壁の練習室の中で、突然そう言い切ったホシをはじめて見た時、なんか凄いとホシのことを尊敬したのを覚えてる。自分とはもう完全に違う次元で物事を考えてるというか、もう一瞬で今後ホシと自分の何かを比べて考えることはないだろうなって思った出来事だった。

まぁその後も「俺はチャニが愛おしい」とも言ってたし、「俺は朝まで踊る」とか、「俺は負けない」とか、「俺は今日もスポるぞ」とか。結局色々謎に宣言するのが好きなだけっぽかったけど……。

ゲーム好きなウォヌは夜中まで、いや朝方まで起きて遊んでることも多い。

それだけならきっともっと、エスクプスやマネヒョンや事務所から、指摘されたり怒られていたかもしれない。

それをちゃんと考えて行動してたのかどうかは判らないけれど、ホシはよく遊んでるウォヌのところにやって来て、「ごめん頼む」と言う。

それは夜中でも朝方でも関係なく、本当に突然で。ホシの中で爆発的に何かが閃いた瞬間なのか、忘れてしまう前にその動きひとつひとつを映像に残しておきたいんだろう。

時々は踊ってる夢を見て、ホシが飛び起きてくることもあった。

本当に一瞬の動きだけ、手の動かし方だけって時もあるけれど、大抵踊り始めるとホシは止まらない。何もなければスマホで、あればちゃんとしたカメラを動かして、ゲームしながらだけどホシにつきあって過ごした沢山の時間。

映像に残ってるホシは踊りもするけれど、それよりも多く話してる。「この腕の動きの次には、もっと滑らかな動きをいれたいんだけど」とか、「カクカクがどこまで揃えられるかが問題だよな」とか、「跳びたい。ここは跳びたい」とか。多分ホシは、ウォヌに話しかけてるつもりなんてなく、次に映像を見る自分に話しかけてるんだろう。

だけど映像にはゲームをしつつも適当に返事をしてるウォヌの声だけが入っていて、それだけ聞けば物凄くホシに付き合わされながらもしっかり考えてるっぽく見えるから、ほぼほぼゲームしかしてないウォヌだったけど謎に周りから同情されたこともある。

まぁ時々は「本気で今踊りたい」というホシに付き合って夜中に練習室に連れ出されることもあったけど。そしてそのまま踊らされることもあったけど。

でも大変だったかというと、そうでもない。

気づけばウジとジュンもいて、次の曲の踊りでもなんでもないのに、完成させて、さらに揃えるとこまで求められて踊り明かしたこともあったけど。

それもこれも、全然嫌いじゃなかった。

「どうしよう。俺、もう、俺の中になんにもなくなっちゃった」

時々ホシは弱音を吐く。
悲しそうな顔で声で、本当に困った様子で。
でも弱音を吐けることが、凄いと思う。心の中を曝け出せることこそが、ホシの強さじゃないかと思えるから。

ウジは決して弱音を吐かない。それはそれで凄いし、どっちがより凄いのかは判らない。
あぁでも、ホシの横か前か後ろかは判らないけれど、ウジがいて良かったとも思う。ホシにはウジがいるから。そしてウジにはホシがいるから。きっと二人とも、孤独な戦いをしてるはずだから。

それなのにホシは、「ウォヌがいてくれて良かった」と言うのだ。

何度も一緒に夜は超えたけど、鏡の前で踊っても踊っても何も見つからないとホシが悩んでた時も、全体の動きがどうしても上手くいかないとホシが何百回とメンバー全員の動きを繰り返してる間も、何もしてやれなかったのに……。

「キラキラホシでぇす」

カラットたちに向かって優しく笑いながら、何度もそう言うホシを見てきたけれど、あぁでも見せてやりたい。夜中の練習室で、無表情で踊る汗まみれのホシがどれだけキラキラ、眩しいほどに輝いてるかを。

汗まみれで、身体から湯気まで出てる状態で、優しい笑顔なんて全くなくて。でも時々見てて涙が出そうになるほど、神々しいまでに身体全体が光ってる。

「俺、もしかしたら漏らしたのかも?」

まぁしかし、突拍子もないことも言うけれど……。
しかもそんなことを疑問形で問いかけられても、それこそウォヌに判る訳がない。

「何を?」

その点ウジは動じない。逆に「何を?」と問いかけられたホシの方が慌てたぐらいだから。

「そ、そりゃおしっこの方だよ。うんこなんて漏らす訳ないじゃん!」

いや、そんな事をデカイ声で言われても……。それに、どっちにしろ漏らしたのなら、どっちもどっちな気がするし……。

「トイレ、間に合わなかったの?」

ジュンも全然動じない。しかも子どもに優しく聞くように、『ん?』って顔で問いかけてあげている。

「だって間に合うとか間に合わないとかじゃなく、出てたんだもん。ほら、ビジャビシャ」

いや、見せられても……って感じなのに、ジュンは覗き込んで確認していた。優しさなのか? 優しさだろう。いや、信じたい。

「汗だろ」

ウジは覗き込みもせず、断言する。ホシはそうかな?って嬉しそう。

「匂ってみたら、判るんじゃないかな?」

ジュンが真面目な顔で提案する。
匂うって…………と思ってたら、視線を感じた。見ればホシとウジとジュンがウォヌのことをジッと見てた。

「え? お、俺?」

なんでウォヌが匂って判定してくれると思ったのかは謎だけれど、確かに何かしらの鑑定眼は持ってそうな雰囲気はあるのかもしれない。

よくエスクプスは、「非常識な96ラインめ」とか言うけれど、こんな時は確かに……と思わないでもない。

「匂わないでも判る。それは汗だ」

断定すれば、ホシは「良かった〜」と喜んでるし、ウジも「だろ?」と勝ち誇ったような顔をしてる。ジュンだけが首を傾げていたけれど、ひとまず文句は言わなかった。

「とりあえず、トイレ行っといで」

やはりジュンは優しい口調。ホシは素直に従って、エヘヘって笑いながらトイレに向かってった。
セブチの踊りの大半はホシから生まれてくるというのに………。
キラキラ輝いてて、時にはその姿に泣きそうになるってのに………。

「おしッ! 出し切ってきた!」

トイレから戻ってきたホシは何故か異様に気合が入っていたけれど、そんなことを報告されても………って感じだろう。

でもそれもこれも、ウォヌのよく知るホシだったけど。

いつだって簡単に常識を超えていく。

気づけば何かから、またひとつ自由になっている。

セブチの先頭を走っていく。

クォンスニョンは、いつだってキラキラ、輝いている。

 

The END

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