妄想heaven

SEVENTEEN全員でのドラマか映画が見たいな......

平凡な一日のはじまりに

 

朝だと思って起きたら昼だった。よくあるけど。

ナマケモノと呼ばれることが多いウォヌは、そんな自分が嫌いじゃなかった。
起き抜けにじぃぃぃぃっと動かず、頭まで布団をかぶって、耳を澄ます。

誰かが歌ってる声が聞こえるし、誰かが文句を言ってる声も聞こえる。誰かが何かを勝手に飲んだとか使ったとか、多分争いの元はそんなことだろう。でも怒鳴り声までに発展することなんてほぼほぼなくて、気づけば誰かが誰かの歌にハモってる。

自分も含めて十三人もいる。仕事場ならそこにマネージャーやスタッフたちもいて、いつも一緒の彼らを含めると二十人ぐらいになって、それ以外の現場のスタッフたちも混ざるとゆうに三十人ぐらいになるのに、ウォヌはそこに十三人がちゃんと揃っていることが、一瞬で判る。

密かにそれが自慢でもある。

色んな場所でジョンハンが黙って十三人を数えてるのを見ている。もうちゃんといるよって教えてあげたいけれど、キョロキョロしながら数える姿が好きだから、教えてあげない。

エスクプスが十三人いるのに十二人しかいないと何回も数え治すのも何回も見た。大丈夫だよって教えてあげたいけれど、数えながら動かすその指の動きが好きだから、教えてあげない。

でもジュンは、ウォヌの密かな自慢を知っているのか、人数を数えるエスクプスやジョンハンを見るたびに、ウォヌに視線を送ってくる。そして余裕な顔をしたウォヌを見て、それだけで「ちゃんといますよ」と言ってのけるから、ちょっとだけシャクだ。

だけど密かにもっとシャクなのが、ジョシュアだ。

十二人どころか十一人しかいなくて二人も足りないのに、たまに「だいたいいるよね」と適当なことを言いだして移動を始めようとする。
「え、いないけど?」
しょうがないからその時ばかりは教えてあげる。もしかしたらジョシュアもウォヌの秘密の自慢の特技を、知ってるのかもしれない。

ホシは大抵自分以外の十二人を数えて、「一人足りない一人足りない」と騒がしい。

ウジは数えた時に十二人しかいなかったりしても、数えなおしたりはしない。可愛らしい風情とは真逆の堂々とした声で、「一人ぐらい足りなくてもバレないだろ」と男前なことを言うのだ。

大抵そんな時に忘れられてるのはドギョムかミンギュで。ディエイトはいつだってジュンの視界の中にいるから問題なくて、スングァン、バーノン、ディノの下三人はいつだって誰かが気にしてるから問題ない。

姿が見えなければ誰かが確実に「ディノは?」とか言い始めるから。
適当に誰かが「トイレだろ?」とか言えば、「ふーんそう」とか言いつつも、ジョンハンあたりがトイレに向かうのだから、見失うはずがない。

年下組はいつだってそうやって気遣われて守られている。
羨ましくもあるけれど、妬ましくはない。だってそれは自分だって一緒だから。

「ウォヌはまだ寝てるの?」

誰かの声が、聞こえてくる。

「まだ起きてきてないけど」

リビングで掃除してるっぽいミンギュがその都度そう答えているけれど、その声の後には決まって部屋のドアが開けられる気配がするから。

本当に部屋にいるのか、まだ起きる気配がないのか。まさかと思うが体調不良じゃないのか......とか、気になるんだろう。

弟たちは部屋の入り口からベッドで眠るウォヌの姿を確認して去っていくだけだったけれど、エスクプスとジョンハンはしっかり布団までめくってウォヌの姿をしっかりと確認していった。

何故かジョシュアは人の横に潜り込んできたけれど......。

昼飯の時には、ミンギュあたりが呼びに来てくれるはず。まだ起きなければ、ウォヌの分だけ別にしておいてくれるだろう。

ウォヌにとってはなんでもない平凡な一日が、今日もはじまる。
平凡で、幸せな一日が............。

 

The END
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